陛下覚悟(陛下、覚悟す)(「後漢書」)
おおっと、これはヤバイか。ここだけ読んだだけだと、〇〇〇〇に何かの「覚悟」を求めてるように見えます。あるいは恐ろしいことが?

ブラックホールだ!宇宙で一番ヤバイぜ! えらい人から「その問題は静謐に議論してくださいね」と言われたら「じゃあ秘密会でやろうぜ」と言った与党ぐらいヤバイ。ほんとに。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
後漢・順帝(在位西暦125~144)の陽嘉元年(132)十月、
望都蒲陰狼殺童児九十七人。
望都・蒲陰の狼、童児九十七人を殺す。
河北の蒲陰で、オオカミが九十七人の子どもを殺した。
時に、丞相の李固(後に党錮の禁で殺される正義派の方です)は、
引京房易伝曰、君将無道、害将及人、去之深山以全身、厥妖狼食人。
「京房易伝」を引きて曰く、「君将無道なれば、害まさに人に及ばんとし、これを深山に去りて以て身を全うせんとすれば、その妖、狼ひとを食らう」と。
京房が伝えてきた易学の注釈書を引用して、申し上げた。
―――主君や将軍が道ならぬ行い続け、被害が人民に及ぶようになりますと、人民たちは深い山中に逃亡して、一身だけは無事に保とうとします。それ故に、君主がそのような行動を取っているときは、「オオカミが人を食らう」という災いが起こ(って天が警告す)るものでございます。(人民がそんな山の中まで入りこむからです。)
「なんと」
陛下覚悟、比求隠滞、故狼災息。
陛下覚悟し、隠滞を比求す、故に狼災息(や)む。
皇帝陛下はこのコトバを聞いて、自分の行動が間違っていたことに気づき、隠されたり遅滞したりしていた事案を探して解決させた。このため、この時の「天の警告」は止んだのである。
ああ、よかった。賢臣の忠告で陛下に覚悟(間違いに気づく)いただいたので、災害は止みました。
霊帝(在位167~189)の建寧年間(168~172)、
群狼数十頭、入晋陽南城門、齧人。
群狼数十頭、晋陽の南城門に入り、人を齧れり。
数十頭群れたオオカミが山西・晋陽(今の太原)の南の城門から乱入し、街のひとびとを(多数)齧った(もちろん死者も出た)。
当時の知識人・蔡邑が意見を奉っていう、
政有苛暴、則虎狼食人。
政に苛暴有れば、すなわち虎・狼人を食らう。
政治が厳しく、無茶苦茶ですと、(社会が荒廃し)すなわちトラやオオカミが人間を襲うようになるのでございます。
つまりクマなら大丈夫?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「後漢書」五行志一より。トラやオオカミが出るまでは大丈夫みたいです。陛下は責任を持っておられないので閣下のみなさんに言っておきますが、トラやオオカミが出るまでは好きにやってても大丈夫みたいですよー。
もちろん皮肉ですから本気にしないでねー。ではまた。
ホームへ
日録目次へ
コメントを残す