以全終始(以て終始を全うす)(「清波雑志」)
明日はいい天気みたいなので、もう出勤したくないなあ。サラリーマンのみなさんはどうしているのだろうか。

組織に忠節を尽くしても、タロ・ジロのように南極に置いてこられるのが日本型サラリーマンのすがたなのだ。
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宋の時代のことですが、
禄豈須多、防満則退。年不待暮、有疾便辞。
禄はあに多きを須(もち)いんや、満を防ぎてすなわち退かん。年は暮なるを待たず、疾有ればすなわち辞さん。
給料は多ければいいというものでもない。満足してしまう前に退こう。
年齢の老いてしまうまでは待たずに、少し体調が悪くなれば(それを理由に)辞めてしまおう。
仕者若守此戒、則不辱不殆、可全始終進退之節。
仕うる者、もしこの戒めを守らば、辱められず殆うからず、始終進退の節を全うすべし。
宮仕えする者が、この戒めを守るなら、屈辱的な目にも遭うまいし、危険な状況にも陥らずに、はじめと終わり、進むと退く、それぞれの時節を間違うことなく職業人生を完成することができるだろう。
いい言葉ではありませんか。サラリーマンはかくありたいものです。
と思ったのですが、
頃見洪慶善書此語於座屏。然、晩有南荒之謫。
頃(さき)に洪慶善のこの語を座屏に書くを見る。然るに、晩に南荒の謫有り。
以前、洪慶善がこの語を居間の屏風に書きつけていたのを見たことがある。(このコトバを大切にしていたのだ。)ところが、彼は晩年、南の辺境(広州)に流されてしまった。
蓋亦昧於勇退。士大夫能明哲保身以全終始者寡矣。
けだしまた勇退に昧なり。士大夫のよく明哲保身して以て終始を全うする者、寡ないかな。
つまるところ、彼もしかるべきところで退職することに気づかなかったのだ。宮仕えの者が、先を見通して身を守り、官僚人生の終り始まりを完成させる者は、少数である。
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宋・周煇「清波雑志」より。サラリーマンのみなさんは働き方は改革してもいろいろ難しいのでしょう。コバンザメや玄関先掃除に徹する人もいるようですが、それでもよく終われることは少ないのではないかと心配してしまいます。
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