一字速化(一字にて速やかに化す)(「原李耳載」)

みなさんは、化けて何に変じるんでしょうか。

モグになって土でも食うでモグ。あんがい美味い。

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むかしむかし、蜀の国に立派な紳士がいた。家産を息子に譲り、隠居することにして、

素好長生術、入山、習静石洞中。一日、有羽士訪焉。

「だんなちゃま、変な道士が来まちたよ」

童子以告、公謂偽託雲水者、辞不見。

「おお、そんなこと言うておったか、そうかそうか」

羽士拾瓜皮書午字、於洞前石門、字痕穿石。

「これをご主人に見せておけ」
「あい、でちゅ」
童子は道士が十分遠くまで行って、もう追いかけられなくなるのを待って、

反報。

「なんじゃと!」

公視之曰、真師見訪而不遇、罪甚矣。書午字責之也。

さらにじっと字を見ていたが、やおら「なるほど」と目を光らせた。

責我為不出頭牛耳。

ウシの真似をすればいいのだ」

呼童取水、沐浴而逝。

「うわあ、死にまちた!」
童子の報せに、

家人驚至、既斂、舁棺不能動。

童子が言う、

想是羽化、無所用棺也。

棺桶の蓋を開いてみると、果たして、

惟双履而已。

はるかむかし、まだひとびとが純朴だった時代のお話である。

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明・李中馥「原李耳載」巻下より。そんなことあるはずない、と思いますよね。
「いい加減なこと言わないでくださいよ」
と作者に言ってみたら、
「はるか昔のことですから」
ととぼけるのである。昔なら何があってもいいじゃないですか、というぐらいの軽い気持ちなのでしょう。昔むかしには、市場経済が資本主義でなかった時代もあったというほどですから。

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