睡覚及暮(睡覚むるに暮れに及ぶ)(「冷斎夜話」)
今日は夕方雨で家にいたので、居眠りしてました。休みでも出勤して居眠りする。「いったい君はどうなっとるんだ?」と訊かれても・・・あ、そうだ!あの話をしてみよう。

「え? あの話って、怖い話? 教えて教えて」
ところでビッグマック指数はわかるんですが、16個買って8039円の「39円」がわからない。なんか怖いではありませんか。
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北宋の名臣、文正公・范堯夫さまにこのようなお話がございますのじゃ。
范堯夫謫居永州、閉門人稀識面。
范堯夫、永州に謫居するに、閉門して人の識面すること稀なり。
范堯夫は湖南の永州に左遷されたとき、門を閉ざしてしまって、ほとんど誰にも顔を知られないような状況であった。
有名人なので、遠いところから「ぜひお会いしたい」というお客さんが来るのですが、ふつうは出てこない。
或出則問寒暄而已。
或いは出でてすなわち寒暄を問うのみ。
出てきてくれても、そこで寒いか暖かいかといった挨拶だけである。
何度も訪ねてみると邸内に案内される。
僮掃榻奠枕、於是揖客解帯対臥、良久鼻息如雷霆。
僮、榻を掃きて枕を奠し、ここにおいて客に揖して帯を解きて対臥するに、やや久しくして鼻息、雷霆の如し。
下男がベッドを掃除して枕を置いてくれる(客人とはベッドで寝転んで話をするのが文人の常識であった)ので、やっと帯を解いて范と向かい合って寝転がるのだが、しばらくすると、かみなりのようないびきをかきはじめるのである。
客自度未可起、亦熟睡。
客自らいまだ起くべからずと度り、また熟睡す。
お客さんは、しばらく起きてきそうにないなと推測して、自分もまた眠ってしまうのだ。
睡覚常及暮、而去。
睡りより覚むるに常に暮れに及び、而して去る。
目が覚めるといつももう夕方になっており、そこで帰されるのである。
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宋・釈恵洪「冷斎夜話」より。よし、今度(明後日あたりか)皮肉なりお叱りなりを受けたら、
「わたくしめがいつも夕方まで居眠りしておりますのは、この范堯夫の故事にならっておるのでございます」
と答えてみようっと。
「いや、范堯夫は左遷された罪を反省している、というスタンスを明確にするために、お客と世俗の話をしないようにしていたからではないか。君はそういう立場ではないだろう!」
とまた怒ってくるかも知れません。ああー、もう出家だ。釈肝冷と名乗れば俗世とは関係無くなり、関係者に怒られることはなくなるであろう。僧侶は俗世と縁を切っているので俗人時代の姓はつけられません。みんなお釈迦様の一族だということでみんな「釈」姓なんです。
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