時平路復平(時平らかなれば路もまた平らかなり)(「樊川別集」)

いい時代に生まれてよかったなあ。

鳥無き里ではえらいんでギャ。黄金バットのように出世した一族もいるんでギャ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

唐の杜牧は長安南郊の樊川(はんせん)に先祖伝来の荘園があったので、樊川を号としたのであります。詩文にともにすぐれ、韓愈・柳宗元とともに「有唐の三家」とも称せらる。(李白や杜甫は文をほとんど遺していません)
今日は早起きして出かけたときの詩をご紹介しましょう。のどかでさわやかな朝の散歩かな?

垂鞭信馬行、数里未鶏鳴。

夜明け前に出発しているんです。

林下帯残夢、葉飛時忽驚。

まったく元気が出ません。おどおどしてしまっているぞ。

霜凝孤鶴迥、月暁遠山横。

僮僕休辞険、時平路復平。

ああ、まことに今の時代のようであります!すばらしい!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

唐・杜牧「早行」(つとに行く)。未明に起きて旅するのはどこかへの赴任か、出張かは判然しませんが、公務である。のどかとか爽やかとかの旅ではありません。
「ああイヤだなあ」
と思ってウマに乗っているんです。
さらにおつきの下僕がいて、我々はこちらの方です。彼は朝早いし、給料も安いし、よく叱られるし、ときおりグチも聴かないといけないし、もっとイヤになっているに違いない。
そして、
時平らかなれば路もまた平らかならん。
という皮肉に満ち満ちた反語がいいですね。わたしは自身のこととして時おり口ずさみ、人生行路の苦しきを言おうと思います。だが、みなさんは現場を預かるツラい立場、部下を叱咤、あるいは激励のつもりで使うのかも知れません。

ここはどういう職場だったのか、いろいろ想像して、暗鬱になってしまいます。四人も亡くなっているのだからもうそれで十分暗鬱です。ううう。だが間もなくAIがすべてを知り、解決してくれるに違いない。夜明けは近い・・・のでは?

ホームへ
日録目次へ

コメントを残す