不知所適(適(ゆ)くところを知らず)(「粤剣編」)
最近の「国是」はどうなっているんでしたっけ。仕事に来てもらうのはいけないが旅行はいいんでしたっけ。仕事も来てもらわないと流通や産業が成り立たないんでしたっけ。仕事して給料もらったら滞在税を払ってもらうんでしたっけ。家族はどうしてもらうんでしたっけ。日本では昔からタテマエとホンネは違うんだからお前は黙っとけ、ということでしたっけ。

日本観光にようこそ!(ようし、ぼったくってやるぜ)「ヘリコプター代は、ひゃ、ひゃくドルだ!イヤなら身ぐるみ脱いで・・・」「百ドル? ビッグマック五個ぐらい? わかった、チップだね」
という世の中らしいのです。
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今のことは置いておきまして、萬暦辛丑というのですから二十九年(西暦1601)のことになりますが、
九月間、有二夷舟至香山澳。
九月の間、二夷舟の香山澳に至る有り。
九月のころ、二隻の「えびす」の船が、広東の香山湾に入ってきた。
初めてこの地に現われた「えびす」であったので、
通事者亦不知何国人。
通事者もまた何国人たるを知らず。
通訳を業としている人さえ、相手がどこの国の人かわからないとのことであった。
人呼之為紅毛鬼。其人鬚髪皆赤、目睛円、長丈許。
人はこれを呼んで紅毛鬼と為す。その人、鬚髪みな赤く、目睛円にして、長(たけ)丈許(ばか)りなり。
その「えびす」を見た人は、彼らのことを「赤毛おばけ」と呼んだ。そいつらはほほひげも髪の毛もみんな赤かったのだ。瞳は完全な円で、背の高さは一丈ぐらいもあった。
一丈はだいたい3.1メートルです。これはでかい。しかし、大おとこは知恵が回らず、文明度は低いかも知れんぞ。
其舟甚巨、外以銅葉裹之、入水二丈。
その舟甚だ巨、外は銅葉を以てこれを裹(つつ)み、入水二丈なり。
その船がまた巨大で、外壁は銅の板で覆っており、喫水線から下が二丈(約6.2メートル)もあるというのだ。
こんな船でしかもでかいやつから攻撃されたら困りますね。
香山澳夷慮其以互市争澳、以兵逐之。
香山澳の夷、その互市を以て澳を争わんとするを慮り、兵を以てこれを逐う。
廣東香山湾にも地元の蛮人がいる。この地元蛮人は、紅毛おばけが交易の場として湾を占拠しようとしてくるのを憂慮して、武器を使って追い出してしまった。
其舟移入大洋後、為颶風飄去、不知所適。
その舟、大洋に移入せし後、颶風のために飄去して、適くところを知らず。
その紅毛えびすの船は、湾から出たところでおりから来襲した台風にもみくちゃに運ばれて行ってしまい、どこに行ったかわからない。
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明・王臨亨「粤剣編」巻三「志外夷」(外国のやつらに関する記録)より。台風を活用すると欧米に勝てるかも。海外の人との付き合い方を考える際の参考にもなるでしょう。思うに、アジアの国々からも学ぶことは多いのではなかろうか。まあでもAIにはかなわないか。
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