得見昇平(昇平を見るを得)(「倦游雑録」)
停戦期間(あと五日)だけですが、ホルムズ開放されました。雰囲気的にはこのまましばらく停戦続くのでは。するとガソリン代下がる。ちゃんと物価下がるかな?

忍耐を知らない人はなんと貧しいのであろうか。
肝冷庵ももう少しガマンしたり努力しなければならんぞ。
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宋の時代のひとが言うには、
邢州開元寺一僧院壁、有五代時隠士鍾離権草書詩二絶。
邢州開元寺の一僧院の壁に、五代時の隠士・鍾離権(しょうり・けん)の草書詩二絶有り。
河北・邢州に開元寺というお寺があり、その僧院の一つに、五代の時代の隠者であった鍾離権というひとが草書で書きつけた、絶句二首が遺されている。
筆勢逎逸、詩句亦佳。
筆勢逎逸(しゅういつ)にして詩句もまた佳なり。
「逎」(しゅう)は「力強い」「肉薄してくる」という意味です。
筆勢は力強くてすばらしく、詩句もまたなかなかいい。
その一
得道真僧不易逢、幾時帰去願相従。自言住処連滄海、別是蓬莱第一峰。
得道の真僧には逢うこと易からず、幾時にか帰去すれば相従うを願わん。
自ら言う、住処は滄海に連なり、別にこれ蓬莱の第一峰なり、と。
真理を得たほんとうの坊主に出会うのは、容易いことではない。
もしその人がいつの日にか戻ってきたなら、連れて行ってくださいとお願いしよう。
その人は自ら言うだろう、「わしの棲み処は東の青い海につながる、
特にそこは仙界の一部である蓬莱島の、一番こちら側の山なんじゃ」と。
地図には無いのでしょう。
その二
莫厭追歓語笑頻、尋思離乱可傷神。閑来屈指従頭数、得見昇平有幾人。
厭うなかれ追歓して語笑うこと頻りなるを、離乱を尋思すれば神を傷むべし。
閑来、頭数に従りて指を屈すれば、昇平を見るを得るは幾人有りや。
歓楽を追い求め、しきりにおしゃべりし大笑いするのを嫌がらないでくだされや。
乱世において人びとと別れざるを得ないことをつくづく考えれば、精神を傷つけるばかりですから。(しばらくは快楽に耽らなければ。)
やることもないので、知り合いの数を指折り数えてみる。
右肩上がりの平和な時代を見るまで生き残れるのは、いったいそのうち何人か。
一首目は空間的なユートピアを、二首目は時間的な千年王国を夢見ているともいえなくはない。
後劉従広知邢州、訪此寺、遂命刊勒此詩于石。
後、劉従広の邢州を知れるに、この寺を訪ね、遂に命じてこの詩を石に刊勒せしむ。
その後、劉従広というひとが邢州の知事になったとき、この寺にやってきて感心し、この二首の詩を石碑に刻ましめた。
おかげで今(宋代)も、これを見ることができるのである。
この隠者・鍾離権が、明清以降、「八仙」の一人で剣客の仙人とされる鍾離権さまのモデルだろうと思われるのですが、あんまり剣客ぽくないですね。
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宋・張師正「倦游雑録」より。今回イラン情勢が落ち着くと、いよいよ来月は米中首脳会談ですね。トランプさんの仲介で仲直りだ。ああキリン現われ鳳凰舞い、リベラリズムの昇平の時代が来・・・たらいいのですが。知り合いの中でそんな時まで生き残れるのは何人ぐらいいるでしょうか。
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