不潔清(潔清ならず)(「風俗通義」)
日向でにたにた笑っていたらシアワセでしょう。しかも裸ならなおさらだ。ひっひっひ。

「けけけ・・・」どこからともなく笑い声が。あまみの山や森にひそむ妖怪けんむんだ! どうも実害は無さそうだが、葉っぱの下はハダカだからヘンタイかも。
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後漢の時代、河内の趙仲譲は茂才に挙げられて、後に江夏太守にまで累進した人であるが、奇異な行動で有名であった。しかし、その行動はいちいち何か深い意味があるようで、誰もが彼を高士(高尚な人物)として注目していた。
大将軍・梁冀の従事郎中としてその幕下にあったとき、
冬月坐庭中、向日解衣裘捕虱。
冬月、庭中に坐し、日に向かいて衣裘を解きて虱を捕らう。
冬のある日、将軍の官邸の中庭に座って、日光のあたる場所で上着や下着を脱いで、シラミ取りをしていた。
已、因傾臥、厥形悉表露。
已みて、因りて傾臥し、その形ことごとく表露せり。
ひととおり終わると、次にごろりと横になり、うねうねと身をくねらせながら、全裸になった。
しかも、裸のまま、にたにたにた、と笑っていた、・・・というのです。
この姿を将軍の夫人・襄城君が垣間見て、おっしゃった。
不潔清。当亟推問。
潔清ならず。まさにすみやかに推問すべし。
「フケツざます! すぐに取り調べをするべきですわ!」
だが、
将軍嘆曰、是趙従事、絶高士也。
将軍嘆じて曰く、「これ趙従事、絶高の士なり」と。
梁将軍はためいきをついて言った、
「あれは趙従事じゃよ。高尚で群を抜いた人物じゃ」
そして奥さまの苦情に取り合わなかった。
他事若此非一也。
他事かくのごときこと一に非ず。
これ以外も、こんなことがたくさんあった。
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後漢・応劭「風俗通義」過誉第四より。「過誉」=ほめ過ぎ、です。この人は他にもどんなことをしたのだろう、どうしたら「ほめ過ぎ」てもらえるぐらい高い評価を得られるのだろうか、そのノウハウは・・・とビジネスパーソンたちの野心がぎらぎらと燃えていることでしょう・・・が、明日まだ平日だというので、他のエピソードにつきましてはまた今度。いつか。そのうち。気が向いたら。
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