8月12日 毎日でなければだめらしいんです

懐奇不遇(奇を懐くも遇わず)(「栖霞閣野乗」)

すごいオトコがいたもんですなあ。

毎日プロミネンス。

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清の時代、江寧(南京)の顧秋碧先生は学問淵博(深く広い)、著作甚多かった。

「補後漢書芸文志」(「後漢書芸文志を補す」)は内容がすばらしいので各地で叢書に納められて出版されているが、あまりにも分量が多いので、みな節本(ダイジェスト版)である。

先生、嘗て自分の家の門に表札を掲げた―――

得過且過日子、半通不通秀才。

なんじゃこれは。

こういうのは正確には本人に教えてもらうしかないのですが、だいたいこう読むのでしょう。

其風趣可想。

どうでしょうか。

しかし、実はただの高尚なだけの人ではなかった。

生有異稟、体気過人、毎夕必御婦人。

すごい。また、

指爪甚有力、可以排墻。

たいへんな人だったのですが、

懐奇不遇、卒客死于清河之海神廟中。

「奇」は「他にないようなモノ」という意味です。本来、変な、とか、変態的な、という意味ではありません。

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清・孫静安「栖霞閣日乗」より。毎日ヤラないといけなかったから、危険なことに踏み込んでしまったのでしょうか。誰にも真似できない「奇を懐く」と週刊〇〇に書かれてしまうかも知れないので、「普通を懐く」人生の方がいいようですよ。

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