7月16日 都会を離れてもダメだ

生事何寠(生事、何ぞ寠せる)(「明語林」)

体重が止まらない。

ぶくぶく・・・。と肥ります。

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元末明初の学者・趙弼は太僕の官を辞めて郷里に帰った。

与農夫耦耕、盤跚泥沢中、晏然自足。

農夫と耦耕し、泥沢中に盤跚して、晏然として自足す。

百姓と並んで耕し、ドロドロの中でふらふらしながら、安らかに自ら足れりとしていた。

ある日、

分巡姚祥至其廬。

分巡・姚祥その廬に至る。

かつての同僚である巡回監督官の姚祥が、趙弼のあばら屋を訪問した。

弼時耘田、遂棄鋤、于田畔見之。

弼、時に田に耘(くさぎ)り、遂に鋤を棄てて、田畔においてこれに見(まみ)ゆ。

趙弼はちょうどその時、田んぼに出かけて草取りをしていた。姚祥が来てくれたので、最終的にはスキを手放し、田んぼのあぜ道で会見したのであった。

趙弼の

詞色自如。

詞色自如たり。

ことばづかいも顔色も満足そうである。

姚祥は訊いた。

生事何寠。

生事、何ぞ寠せる。

「それにしても、生活はずいぶんお困りになっているようじゃな」

趙弼は破顔一笑して答えた、

差勝秀才時。

差(やや)秀才時に勝れり。

「受験勉強時代に比べれば、少し暮らし向きはいいのう」

そのころこんな暮らしができていたなら、誰が宮仕えなんかしたものか。

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清・呉粛公「明語林」巻七「棲逸篇」より。都会を離れた同じような境遇なのに、寠(やつ)れずに肥ってくるんです。

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