頼以全活(頼りて以て全活す)(「五雑組」)
今日は晴れの日だ。憲法改正するのめんどくさいから解釈だけ変えて、自分たちのことは自分たちで守っていこう。

1590~1630 日本国憲法の規定とは関係ある?ない?
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明の正徳年間(1506~21)のこと、順天府(北京)の文安県にて、
水忽彊立。
水たちまち彊立す。
川の水が、突然固くなって立ち上がった。
なんと。
是日天大寒、遂凍為冰柱。高五六丈、四囲亦如此。中空而旁有竅、凝結甚固。
この日、天大寒、遂に凍りて冰柱と為る。高さ五六丈、四囲またかくの如し。中空にして旁らに竅有り、凝結はなはだ固し。
この日は大変寒い日で、とうとう凍って氷の柱となってしまったのだ。高さ16~19メートルぐらい(一丈≒3.1メートルで計算)、その周囲も同じぐらいであった。中が空っぽで横に穴があり、かちかちに固まっていた。
なるほど、寒い日なのでこんなものが現れたんです。科学的だ。なお、周囲16~19メートルということは、直径は5~6メートルということになり、塔のように見えたと思われます。
逾数日、流賊劉六劉七等殺掠過此。
数日を逾えて、流賊劉六・劉七等、殺掠してここを過ぐ。
その数日後、劉六・劉七らが煽動する移動型の群盗集団が、殺人と略奪を行いながらこのあたりを通過した。
民大小老弱相率入冰穴中避之、頼以全活者甚衆。
民、大小老弱相率いて冰穴中に入りてこれを避け、頼りて以て全活する者甚だ衆(おお)し。
地域の民衆たちは、大人も子どもも年寄も弱そうなのも、みんな引っ張り合ってこの氷柱の穴から中に入って群盗集団の略奪を避け、そのおかげでケガもせずに無事だった者がずいぶん多かった。
ああそうでうすか・・・と言いたいところですが、塔状になっているので中の面積はそれほど大きく無いはずです。うーん。表面より下に分厚く氷結しておりそこに入り込むことができた、と考えれば多人数が入れたのかも知れませんが、だとすると説明不足に感じます。
まあ、なんにしても、
此亦古今所未見之異也。
これまた古今いまだ見ざるところの異なり。
これはまた、歴史上これまで無かったほどの不思議であろう。
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明・謝肇淛「五雑組」巻四・地部より。自分たちの事は自分たちで守らなければなりません。国家が守ってくれるなどと甘えたことを言うておってはいかん。国家が何もする気がないのに、こんな大自然の冰の柱などに守られるとは怪しからん、税金払え。・・・と思いますよね、みなさんは。
肝冷斎がこんなところで評価?されているようです。種としてはまだいると思いますが、肝冷斎本人は危惧ではなくすでに絶滅しているようなものですが。