4月25日 眠いし寒い夜でした

齅著脳裂(齅著(きゅうぢゃく)すれば脳裂せん)(「趙州録」)

眠すぎて頭痛かった。破裂するかもと思ったが、これの帰りの電車の中でひと眠りしたら少し治まった。

あたまに染みだす血のような、シャクヤクの赤ではありませんか。

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唐の時代のことですが、和尚に弟子が質問した。

萌芽未発時如何。

萌芽もいまだ発せざるの時、如何(いかん)。

―――芽生えさえもまだしていない時は、どのような状態なのでしょうか。

萌芽未発、とは、何の兆しもない真の空、父母未生前(おやじやおふくろさえ生まれていない)の状態のことです。おそらく弟子は、悟りの境地とはそういうものではないか、と問うたのです。

趙州従諗(じゅうしん)和尚が答えた。

齅著即脳裂。

齅著(きゅうぢゃく)すれば、即ち脳裂せん。

「齅」は「嗅」と同じです。

―――おまえ、そんな世界の匂いを嗅いだら、その瞬間に頭が破裂するぞ!

次元が違うような世界なので、人間の脳みそでは理解できない、というのです。そんな世界に嗅覚などの五感で触れたら発狂しちゃうよ。

じゃ、じゃあ、師匠、

不齅時如何。

齅(きゅう)せざる時は、如何。

―――齅がなければ、どうですか。

五感で触れずに、遠くから観察して、思索するだけなら・・・

無者閑工夫。

者の閑工夫無し。

「者」は「這」(しゃ。「この」)と同じ。

―――そんなヒマなことはせん。

わしにはそんなヒマはないのだ。早く嗅いで頭が裂けて死んでしまえば、大いなる知恵を得ることもできように。

また、ある大臣がやってきたとき、

師掃地。

師、地を掃く。

和尚は地面を掃除していた。

大臣は訊いた、

大善知識、為什麼却掃塵。

大善知識、什麼(しも)が為に却って塵を掃く。

―――和尚様のような賢いお方が、なんのためにわざわざゴミを掃除しておられるのですかな?

もちろん、「掃除は掃除当番にやらせておけばいいのでは」と言っているのではなく、「もう取り除くべき煩悩とかないはずなんじゃないんですかね」と訊いている。もう少し突っ込めば、

「人から何か問われるためにそういう行動をしているのでは?何かのためにする行為をしているのではないですか?悟ってないのでは?」

と攻撃しているのです。

和尚が言った、

従外来。

外より来たり。

―――外から来る(ので、掃き清めねばならんのだ)。

もちろん、「おまえのようなやつが」ということです。

すると、別の僧が訊いた。

清浄伽藍、什麼有塵。

清浄の伽藍に什麼(しも)として塵有る。

―――清らかなこのお寺に、どうしてゴミがあるのですか。

こちらの心が悟りきっていたら、誰かが汚すということは無いのでは?

師答えて曰く、

又一点。

また一点なり。

―――また一つ、来おった。

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「趙州録」巻中より。わはははー、まいったか。わしの勝ちじゃ。わしは、わしは強いのじゃ!

―――いやいや、現代のすぐれた観点(グローバリズムやハーバード経営学などの)からすれば和尚は既得権益にあぐらをかいていると確実に言える。論破終了。

今日はもう早く寝なければなりません。頭破裂して悟ってしまいそう。

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