4月22日 上質なひとはたいへんだ

良才不隠世(良才は世に隠れず)(「陶淵明集」)

昨日は風に吹かれる雲のように、過ごしておりました。

誠実に生きているのでございます。江湖で。

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晋の時代のことですが、殷鉄は、晋安の南府長史の掾(幕僚)として尋陽に棲んでおったので、何度も会っていたのだが、日の出の勢いの劉大尉(後に宋を興す劉裕である)の参軍として建業に移ることになった。

そこで彼に詩を作って贈ったのである。

曰く―――

若いころからの友だちのように仲良しだったなあ。

一回会っていろいろ話し込んで、二泊三日になってしまったことがあった。

そうしているうちにどんどん仲良くなって、

去年、わしが新しい家に移ったので

家が近くなってからは、

杖をついて好きな時に出かけて、

夜になるまで話しこんだものであった。

話したり黙り込んだり。だが、お互いの仕事が違うので、

どこかで別離の時が来るとは思っていたが、

この春にその時が来るとは、予想していなかったのだ。

飄飄西来風、悠悠東去雲。

飄飄たり、西来の風。悠悠たり、東去の雲。

さわさわと風が西から吹いてきたので、はるばると雲は東に流れていく。

山川千里外、言笑難為因。

山川千里の外には、言笑も因を為し難からん。

山と川を隔てた千里のかなたには、語ったり笑ったりというよすがは無いであろう。

しかたのないことである。なぜなら、

良才不隠世、江湖多賤貧。

良才は世に隠れず、江湖には賤貧多し。

すぐれた人材は世間から隠れていることができないのだ。わたしどものような賤しく貧乏なものは、世俗の川やら湖のほとりにうじゃうじゃとおるのだが。

この先、
脱有経過便、念来存故人。

脱(もし)、経過の便有れば、念来(おも)え、故人の存するを。

もしこちらに便を寄こす機会があったら、友だちがいたなあ、と思い出してくだされよ。

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晋・陶淵明「与殷晋安別」(殷晋安と別る)より。わたしどもはいつも江湖にぶくぶくと溺れかけておりますよ。良質の人は引っ張られて大変みたいです。

うひゃあ、首里ネコのおしりの穴攻撃だ!調査結果は明日以降公開します。公開しました

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