11月12日 食糧安全保障がどうなるとか

氷厚五寸(氷厚きこと五寸なり)(「晏氏春秋」)

今年の冬は寒くなるのでしょうか、それとも暖冬か、あるいは平均的か。平均的とは何か。

天候不順だとマジメにやるより一攫千金、宝探しに賭ける方が有利・・・? こつこつとやった方がいいですよ。

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春秋の時代のことでございます。

斉の景公(在位前547~前490)が魯に侵攻し、魯の衛星都市の一つ、許の町まで迫って、許の町の留守居役であった東門無沢(とうもん・ぶたく)を捕虜にした。

そこで、東門無沢に訊いてみた。

魯之年穀何如。

魯の兵糧備蓄や国民の士気を計ろうとして、質問してみたのである。

これに対して、東門無沢は答えた、

陰氷厥陽、氷厚五寸。

「ちゃんと答えてくださいよ」

「それで?」

不知。

そこで景公は、宰相の晏嬰に訊ねてみた。

「・・・と言うのだが、どういう意味であろうか」

晏嬰は答えて言った、

君子也。問年穀而対以氷礼也。

「はあ? しきたり?」

陰氷厥陽、氷厚五寸者、寒温節也。

「はあ」

節則刑政平、平則上下和、和則年穀熟。

「それで?」

年充衆和、而伐之。臣恐罷民弊兵、不成君之意。請礼魯、以息吾怨、遣其執、以明吾徳。

景公は

善。

と言って、

廼不伐魯。

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「晏氏春秋」巻三より。むかしの人はこの程度の情報量でやってたんですね。現代はすぐれているなあ・・・という以外にも、いくつか重要な教訓が含まれていると思うのですが・・・。

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