10月8日 長生きしそうな人ですよ

五敵山人(五敵山人)(「明語林」)

たくさん敵がいると張り合いがあっていいでしょうね。

ライバルにまけるもんかでにゃー。

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明の時代のことです。内閣大学士(宰相)の袁文栄のもとに、知人の紹介で、王逢年という男が面会に来た。「山人」(山中の隠者)と自称しているとおり、風采の上がらぬ田舎読書人のようである。

しかし、紹介者の言葉どおり、文章や詩詞を作らせるとあっという間に見事な作品を完成させるのである。

紹介者の言では「少し難しいところはあるけどね」というのだが、文章を書かせている分には問題が無いので、幕僚として雇うことにした。

時に天子様は新しい礼法を作ろうと意気込んでおられたゆえ、大臣の袁文栄もいささかの意見書や論文を提出しなければならなかったので、たいへん重宝し、

遂属草応制文字。

ところが、「少し難しいところ」があり、

会有所更竄。

これに怒り出したのである。

王山人は、

閣下以時文取科、以青詞拝相、悪知天下有古文哉。

と嫌味を言い置いて、

竟不辞而去、文栄遣騎、追之非及。

気難しい右筆もいるもんですね。

さて、この王山人がいつも言っていたことには、

漫世敵嵆康、綴文敵馬遷、賦詩敵阮籍、騒敵屈宋、書敵二王。

そこで、人呼んで「五敵山人」(五つの分野で好敵手がいる世捨て人)という。

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清・呉粛公「明語林」巻十一「簡傲篇」より。みなさんにも五人ぐらいは敵がいると思いますが、何人ぐらいに勝てるかな。

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