但不能食(ただし食らう能わず)(「墨余録」)
忙しいのに居眠りばかりしているので、どんどん増えてきます。この何年かでいちばん追い込まれているのでは。もうダメだ。

努力をすれば報われるのだ!とはるかむかしに聞いたが、がんばってもダメなものはダメなのだ。どうしようもないのだ。
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みなさんは知らんと思うのですが、
泰西有油井。毎産煤窰近処。
泰西に油井有り。つねに煤窰の近処に産す。
「煤窰」(ばいよう)とは何か、説明不足ですが、ここでは「煤」は「石炭」を指すようなので、「炭坑」のことのようです。
欧州には「あぶらの井戸」がある。石炭の炭坑に近いところで産出される。
蓋煤所生聚処、掘之、下多有油。
けだし、煤の生聚するところの処、これを掘れば、下に多く油有り。
何故なら、石炭が生成され集積される地点では、そこを掘ると、下に油が有ることが多いからである。
聞今美国已有数百井、通国咸用以代燭。但不能食耳。
聞くに、今、美国すでに数百井有りて、通国みな用いて以て燭に代う。ただ食らう能わざるのみ。
聞くところによると、現代では、アメリカ国にはすでに数百の油の井戸があり、国中みんな油を使って、蝋燭の代わりにしている、と。ただし、食べることはできない点が違うだけだ。
蝋燭との違いは食べられないことだ、と言ってます。蝋燭を食べていることがわかりました。食べられるかどうかは大事なことだから、書いてあるのはいいことだと思います。
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清・毛祥麟「墨余録」巻十六より。この巻は西欧の知識がいろいろ紹介されているのですが、わたしどもすぐれた現代人とは少し知識にずれがあっておもしろいです。少々優越感さえ感じます。
西人能収電気、其為用若治病、代灯、禦敵、鋳印、与通達音信等種皆頼此。
西人よく電気を収め、その用を為すこと、治病、代灯、禦敵、鋳印、音信を通達する等の種、みなこれに頼る。
欧米人はうまく電気を収集することができる。これの用を為すこと、病気を治し、灯火に換え、敵を防ぎ、印(活字?)を作り、音や信号を送るといったことが、すべてこれに依存しているのである。
だいたい正しいような気がしますが、「敵を防ぐ」「印を作る」といったことが代表的な効用に挙げられている点、違和感があるのでは。
海中有雷魚。其身隠具電気、捫之輒発。小則震体、大則傾仆、甚有傷人者。其形扁。
海中に雷魚有り。その身電気を具すを隠すも、これを捫(つか)むにすなわち発す。小なれば体を震わせ、大なれば傾け仆れ、甚だ人を傷つくる者有り。その形、扁。
海の中には「かみなり魚」がいる。その体には電気が隠れているが普段は表に出さない。これをつかみ取ろうとすると、電気を発する。小さい電気なら体がしびれ、大きい電気だと人間を倒し、たいへん人体に傷害を与えるものである。形は、ひらぺったい円形。
これはエイだと思います。
又有雷鱓、触之立斃。南亜美利加多有之。
また雷鱓有り、これに触るれば立ちどころに斃る。南亜美利加多くこれ有り。
また、「かみなりうなぎ」がいる。これに触るとたちどころに死んでしまう。南アメリカに多い。
南アメリカの「土人」の用いる捕獲方が書かれていますが、省略。
有一魚英人所得、長四尺、内有脆骨千余、其形如鼓、上通於脳。始知此魚腹中、天生電機、故能発電也。
一魚の英人の所得する有り、長さ四尺、内に脆骨千余有りて、その形鼓の如く、上は脳に通ず。始めて知る、この魚の腹中、天生の電機にして、故によく発電すなり。
エゲレス人の捕まえた魚がある。体長1メートル余で、体内にもろい骨(軟骨?)が千以上あり、その(骨の)形は太鼓のようで、頭につながっていた。研究してついにわかったのは、この魚の体内は、天然の発電機になっていたのだ。そのため、電気を発することができたのである。
この魚はなんでしょう。かなりでかいですね。こういう学問(耳学問)なら何回やってもいいのですが。
まだまだおもしろい記述があるのですが、またすごい深夜になってしまいましたので終わります。
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