抱火厝之(火を抱いてこれを厝(お)く)(「賈誼新書」)
どこに置くのでしょうか。

ぼんぼりの中に置くならまだ亡びまい。
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前漢の文帝のころに、名臣・賈誼が、「国が滅ぶ」と言い出した。
夫抱火厝之積薪之下而寝其上。
夫(そ)れ、火を抱きてこれを積薪の下に置きて、その上に寝る。
ああ。火をもらってきて、これを積み上げた薪の下に置いて、その薪の上に寝ている。
火未及然、因謂之安。
火いまだ然(も)ゆるに及ばず、因りてこれを「安し」と謂う。
火はまだ燃え上がって来ない。そこで、この状態を「安全だ」と言っている。
方今之政、何以異此。
方今の政、何を以てこれに異ならん。
今の政治は、どこがこれと違うのだろうか。一緒ではございませんか。
「なんですと!」
と、愛国者なら立ち上がって反論することでございましょう。
「火が自分につくまでは、こんなに治まり、こんなに豊かなのに文句があるのか」
と訊き返したいところでしょうが、相手ははるか昔の人ですから、答えてもらえません。
まあ、いいか。しばらくは大丈夫ですよ。備蓄切れの二百五十四日先が見えて来るころまでは。
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漢・賈誼「新書」寧数篇より。中国や原油やミサイルや大震災だ、国が亡びる、などと思っているわけではありません。今日、首都圏のとある中堅都市に行ったのですが、駅前にタクシーが来ないので、お年寄りたちが長く待っている。車は渋滞するほど走っている。だが権門は上に驕り、社稷を憂うる思いなし。ああ、この国はもう亡びるんだなあ、と思いました。・・・というような穏健亡国派です。広告オモシロいからどんどん見せてほしいなあ、耳触りのいいことばかり聞きたいなあ、と思うのですが、でもさすがに急進亡国派の可能性も高まってきてるなあ。
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