王者貴乎(王者貴きか)(「戦国策」)
いろいろ怒りたいことはありますが、にこにこじゃ。怒ると何に怒っているのか説明しなければならなくなって疲れるからじゃ。

厳しい国際社会では、働いて働いてサボって休んで寝過ごすことが必要じゃ。
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斉の宣王、隠者の顔斸(がんしょく)が面会に来たので喜んだ。それで言った、
斸前。
斸、前(すす)め。
斸よ、こちらに来たまえ。(語り合おうではないか)
すると、顔斸も言った、
王前。
王、前め。
王よ、こちらにいらっしゃられよ。
王不説。左右曰王人君也、斸人臣也。可乎。
王説(よろこ)ばず。左右曰く、王は人君なり、斸は人臣なり。可ならんか。
王さまは不愉快そうである。近臣が言った、
「王さまは人間の君主であられるのだぞ。斸どのは臣下の人間ではないか。そんなことでいいのか?」
斸は答えて言った、
夫斸前為慕勢、王前為趨士。与使斸為慕勢、不如使王為趨士。
それ、斸前めば勢を慕うと爲し、王前めば士に趨と為さん。斸をして勢を慕うと爲さしめんよりは、王をして士に趨ると爲さしめんに如かず。
さてさて。このわたしの方から王の方に進めば、斸は権力におもねった、ということになりましょう。王さまがわたしの方にいらっしゃるならば、王さまは市民に寄りそう、と言われましょう。わたしを権力におもねったと言わせるよりは、王さまを市民に寄りそうと言わせる方がよろしいではありませんか。
「むむむ・・・」
王忿然作色、曰王者貴乎、士貴乎。
王、忿然として色を作し、曰く、王者貴きか、士貴きか。
王さまは怒りを顔つきに表わして、言った、
「王者が貴いのか、それとも自由市民の方が貴いのか」
答えて言った、
士貴耳。王者不貴。
士、貴きのみ。王者は貴からず。
「自由市民が貴いに決まっているではありませんか。王者は貴いことなどありませんぞ」
「なんじゃと!」
「怪しからん!」
「このわからずやめ」
近臣たちはいきり立ったが、王はそれを制して言った・・・
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「戦国策」斉策より。「怪しからん」と思いませんか。でも、どちらが? 情報が多すぎて困ってしまいそうですね。
さて、続きは明日以降。
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