妨人利己(人を妨げ己を利す)(「不下帯編」)
「人を妨げて己を利する」ことにはみなさん日夜励んでいると思いますが、「人を妨げる」と「己を利する」どちらを選ぶか、といわれたらどうしていますか。案外前者ですよね。

ムシけらの邪魔してやるわよ。
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清の半ばぐらいのころですが、あるひとが「小猪詩」(こぶたのうた)というのを歌っているのを聞いた。
頗有理、録之。
すこぶる理有り、これを録す。
たいへん筋道の通った歌であったので、書き留めておいた。
「理が有る」というのは「説教に使える」という意味だと考えていただけるといいのではないかと思います。
次のような歌であった。
倚欄間看小豬児、一箇強梁把衆欺。
欄に倚り小豬児(しょうちょじ)を間看するに、一箇強梁にして衆欺を把す。
垣に寄りかかって、何の気無しにこぶたたちを見ていたら、
一匹だけ強くでかくて、いろんな悪さをしているやつがいた。(ぶうぶう。)
ブタは「一匹二匹」でいいんだっけ。・・・まあいいか。
縦使糟糠独食尽、先肥未必是便宜。
縦(たと)い糟糠をして独り食らい尽くし、先ず肥ゆるもいまだ必ずしもこれ便宜ならざらん。
もしも自分だけでエサ箱の米ヌカを食い尽くせたとして、
先に肥えたものがうまいこといくとは限らない。(ぶうぶう。)
(ぶうぶう。)は勝手に考えた合いの手です。
夫世之妨人利己、自誇便宜、而終失便宜者、皆小豬類也。有不先受其殃乎。
それ世の人を妨げ己を利して、自ら便宜を誇るも、終(つい)には便宜を失う者は、みな小豬の類なり。その殃(わざわ)いを先ず受けざらんや。
ああ! 世の中に多く、ひとの邪魔をし自分の利得を図り、自分では「うまくやった」と威張っているのに、最後はまずいことになってしまう人がいるが、彼らはみなこの強いこぶたの同類である。最初にイヤな目(食べられる)に会うのは、そいつなのである。
わかったかな。
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清・金埴「不下帯編」巻五より。いい説教ができました。みなさん、ブタのようになってはいけませんぞ。わしのこの腹を見てみなされ。ぶうぶう。

嘲っていてはいけない、なんじらもいずれこうなるでぶー!!!だんだん太るから「ゆでガエル」のようにまだ大丈夫と思っているうちに取り返しのつかないことに・・・ぶー!
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