1月24日 物価高いので節約、コメ買ってません

南人不食(南人食らわず)(「後山談叢」)

南人(南国の人ではなく、華北に対して長江流域(江南)の人を言う)が食べなかったもの、はなんでしょう。今は食べると思います。

カエルよりウマいでメー?

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「漢書」霍光伝によると、大将軍・霍光亡き後、さしもの霍氏も急激に権力を失いはじめました。霍光の後を継いだ丞相・霍禹の屋敷では、ネズミが尻尾で絵を描いたり、カラスが鳴いたりして何やら不吉な様子、このとき一族の霍山が言った、

丞相擅減宗廟羔莵鼃。

と。そのためにたたりを受けているのではないか、と指摘したのです。霍禹は「実は・・・」と一族の者たちに対して、現在の宣帝の皇后許氏を毒殺してしまい、最近宣帝(在位前74~前49)にどうもそれを知られてしまったかも知れない・・・と告白しました。

ええー!

と言ってみんなびっくりして、そうなったらしようがない、宣帝をお除き申し上げるしか、と陰謀を働き、ついに一族誅殺の目に遭うのでございます。紀元前66年ごろのことでございました。

ところで、漢の皇帝の宗廟の「羔」「莵」「鼃」とは何でしょうか。

顔注、羔、莵、鼃以供祭也。

犠牲にしてご先祖に食べさせる(実際には焼いて「気」を捧げ、焼いたもの自体は祭祀者が食べる)ものだという。歴代皇帝に捧げるのですから、ものすごく豪華なものかと推測して涎も流れようというものでございますが、実際には、

「羔」(こう)は子羊の肉です。ラムです。確かに美味い。だが豪華というほどではないかも。
「莵」(と)はウサギの肉です。鶏肉みたいで美味いらしいが食べたことないです。豪華というほどではない。
「鼃」(あ)は「礼記」周官篇に出る「蟈」(かく)のことである。

周の時代には、「蟈氏」という世襲の官職があったのだそうです。「蟈氏」は「蟈」のことをつかさどる。後漢・鄭玄の注に曰く、

蟈、今御所食蛙也。

と。

以上のことから、華北の、漢の都の長安や後漢の都の洛陽ではカエルを食っていたということがわかります。

一方、南北朝時代の南朝の「宋」についてまとめた「宋書」によると、

張暢弟牧有犬傷、医云当食蝦蟇。

イヌは狂犬病を持っている可能性がありますから、イヌに噛まれると死ぬかも知れません。その特効薬がガマガエルだった(らしい)。

而牧難之。暢為先食。

弟のためにガマガエルを食べるとは! なんと優しいお兄さんではありませんか・・・というエピソードなのですが、張氏兄弟は呉郡(今の浙江省)のひと。以上から次のことが判明しました。

前世北人食蛙、南人不食也。

やっぱりチャイナの昔の人の議論は勉強になるなあ。たわいのない会話のようなものなので心の糧になる、ではありませんか。

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宋・陳師道「後山談叢」巻三より。北宋期の安徽・徐州出身の筆者はどうだったんだ、と訊いてみたくなりますが、絶対食べてますよね。

またまた草野心平さんの作品(「行進曲」)を引かせていただきました。この「行進曲」はカエルたちの歌、「第百」というのは「第百階級」、カエルですから生物の中でも低い「底の階級」のことなんだそうです。草野さんは福島で生まれて、広東に渡っていたときにこの詩を作ったという。
俺達の中には大将も奴隷も無いのだ、すべてカエル、どろだまなのだ。第百階級だ。え? 今は選挙権がある? どうしよう。

今日は観ネコしてきましたが、報告は明日に回します。

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