以此為楽(これを以て楽しみと為す)(「履園叢話」)
みなさんはどうでしょうか。ぐふぐふと、これを楽しみとしているかどうか。

ぐふぐふしている間に落ちぶれてしまうものである。
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清の時代のことですが、わたしが知っている某さん、太守にまでなったのですが、
家蓄美麗甚多、選其精于一芸者、号十二金釵。
家に美麗を蓄うること甚だ多く、その一芸に精なる者を選びて「十二金釵」と号す。
自邸に美しいのをたくさん蓄えておられまして、その中で何か一つは芸事に長けている方を(十二人)選んで、「十二の金のかんざし」と名付けておられました。
これはもちろん「紅楼夢」の魅力的な十二人の女性を「十二釵」と呼ぶのなどにあやかっているわけです。
また、
慕金瓶梅葡萄架之名、以金糸作藤、穿碧玉翡翠為葉、取紫晶緑晶琢為葡萄、搭成一架。
「金瓶梅」の葡萄架の名を慕い、金糸を以て藤を作り、碧玉・翡翠を穿ちて葉と為し、紫晶・緑晶を取りて琢して葡萄と為し、搭して一架を成せり。
「金瓶梅」(きんぺいぱい)の中で、葡萄の棚の下(でエッチなどをする場面)に因んで、金の糸で藤の蔓を作り、青い玉・翡翠に穴を開けてつないで葉っぱにし、紫水晶・緑水晶を磨いて葡萄を作って、これらを組み立てて葡萄棚を完成させた。
其下舗設宋錦為褥、褥上置大紅呢繍花坐墊、旁列古銅尊彝、白玉鴛鴦洗、官哥、定窰瓶椀、及図書玩好之属。
その下に宋錦を舗設して褥(しとね)と為し、褥上に大いなる紅呢(こうじ)の繍花の坐墊(ざてん)を置き、旁(かたわ)らに古銅の尊彝(そんい)、白玉の鴛鴦洗・官哥、定窰の瓶椀、及び図書・玩好の属を列(なら)ぶ。
当時の高級家具らしいのでどう訳せばいいかわかりずらいものもあるのですが、
(人口の葡萄棚の下に)宋代製作の豪華な錦を敷き詰めて敷布団にし、その上に大きな紅の土で作り、花を刺繍した座椅子を置いて、そのまわりには、古代の青銅器の杯や酒器、白玉でできたおしどりや九官鳥の水入れ、高級な定窰で造られた瓶や茶碗の類、さらに絵や書、その他の観賞用の品物を並べた。
そして、そこで、
諸美人弾琴弈棋、賦詩飲酒、或並唐六如、仇十洲所画春冊、調笑百端、以此為楽。
諸美人に弾琴・弈棋し、賦詩・飲酒せしめ、あるいは唐六如、仇十洲の画くところの春冊を並べ、調笑すること百端、これを以て楽しみと為せり。
美人たちに琴を弾いたり碁を打ったり、詩を作ったりお酒を飲ませたりさせ、時には明の唐六如や仇十洲らの画いたエッチな絵(そんなものがあるかどうか知らないのですが)を並べておいて、それを見ながら百ぐらいのいろんな場面でにやにや・ぐふぐふと笑いあう。こんなことを楽しみとしていた。
なんと楽しそうなことでありましょうか。わしも想像してにやにやし、ぐふぐふしてしまいました。ふふふ、ぐふぐふぐふ。だが、
不数年太守死、而美人星散、宦橐蕭然。
数年ならずして太守死し、美人星散じ、宦橐も蕭然たり。
数年もしないうちに太守は死んでしまい、集めてきた美人たちも星のように散っていなくなり、役人時代に貯め込んだ財産もさびしくなってしまった。
ということだ。
嗚呼、天道、福善禍淫如此其速耶。
嗚呼、天道の善に福し淫に禍すること、かくのごとくそれ速やかなるか。
ああ! おてんとさまが、いいひとに幸福を与え、エロなやつには禍いを与えるという仕打ちは、このようにあっという間に行われるのである。
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清・銭泳「履園叢話」十七「報応」篇より。みなさんも気をつけなされよ。え? わし? わしはいいのじゃ、ぐふぐふぐふ。
・・・というような元気さはもうございません。HPの更新のおこなわれていない岡本全勝さんですが、わたし同様「ぐふぐふぐふ」というほどの元気はないと思いますが、健康に問題があるわけではないようで、全く技術的な問題だそうです。そのうち復活するでしょう。
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