明窗之下(明窗の下)(「酔古堂剣掃」)
昼もよく寝ていましたが、夜かえってきてPCの前でまた居眠り。起きている時間は何か食っている。もう坂道を転がり落ちているのかも。

わしも坂道を転がり落ちる前に、日暮れまで写生でもして歩きたいものである。ホッホー。(なお技術上の問題で回転できず、倒れたままです。岡本HPも技術上の問題で更新できてないんだと思われます。)
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明のころのことだと思うのですが、
明窗之下、羅列図史琴尊、以自娯。
明窗の下、図・史・琴・尊を羅列し、以て自ら娯しむ。
明りとりの大きな窓の下に、(所有の)絵、歴史書、琴、酒杯を並べて、それでひとり楽しい思いをする。
琴はいくつも並べてにやにやする人はあまりいないと思うので、弾くつもりでしょう。杯の方は青銅器マニアもいるので並べてにやにやしているのか、お酒を飲むという意味なのか、これだけではわかりません。ひとりで楽しむなら、お酒より青銅器マニアかも。
有興則泛小舟、吟嘯。
興有ればすなわち小舟を泛べ、吟嘯す。
楽しいと思えば、すぐに小舟を浮かべて、その上で歌ったり口笛吹いたりする。
小舟を保有していること、それを浮かべる河とか湖とかが近くにあることなどが必要です。
覧古于江山之間、煮茶野醸、足以消憂。
古(いにし)えを江山の間に覧(み)、茶を煮、野に醸せば、以て憂いを消すに足らん。
川や山に出かけて、古い遺跡を見、お茶を湧かし、郊外で酒を手に入れれば、それで心配ごとは消せるだろう。
古墳、中世山城、将門伝説などはおもしろいですからね。
それから、
蓴鱸稲蟹、足以適口。
蓴・鱸・稲・蟹、以て口に適するに足らん。
蓴菜、鱸魚、イネ、カニ、これら江南の美味いモノがあれば、それで口(や腹)はよろこぶに足りるだろう。
やっぱり、お茶とお酒だけでは足りなかったみたいです。食べ物が必要だったのだ。
又多高僧隠士、仏廬勝地、家有園林、珍花奇石、曲沼高台、魚鳥留連、不覚日暮。
また、高僧・隠士、仏廬(ぶつろ)・勝地多く、家に園林と、珍花・奇石有り、曲沼・高台に魚鳥留連すれば、日の暮るるを覚えず。
さらには、付近で出会うのは、高徳の僧侶と世に隠れた知識人、仏僧の庵(つまりお寺)と景色のいいところが多い。
どこの家にも庭があって立ち入ることができ、そこには珍しい花と不思議な石が配合されている。
屈曲した湿地、見晴らしのいい高台があって、前者には魚、後者には鳥がいつでもいる。
わたしは毎日出歩いて、日が暮れるのにも気づかない。
「日が暮れる」を老年のことと解すれば、こんなところで居眠りしていたいものである。
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明・陸紹珩編「酔古堂剣掃」巻五「素」より。このような土地に住んでいたら居眠りしてしまって当然ですが、もっと不快な状態でも居眠りしてしまうので、そんなところまで行きつけずに、まだこんなところにいるのであろう。
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