10月21日 要らないけど棄てられない

不惜衣食(衣食を惜しまず)(至正直記)

身と命を惜しまない人もいるのですから服や食べ物なんか要らんやろ。と思うのですが、何も捨てられません。穴のあいた靴下も使われ(指が出てもまだ使える)、賞味期限の過ぎた食べものも、「完全にダメになるまで」冷蔵庫の中にしまいこまれています。これは「大切にしている」と言ってもいいのでは。

そもそも労働の値段が違うんだよな。

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元の時代の人がいうには、 

不惜衣装、得凍死報、不惜飲食、獲餓死報、尋常過分、獲貧窮報。

と。これを逆に言ったことわざもあります。

惜衣得衣、惜食得食。

此言雖鄙、最是実論。

以古今之好奢侈暴殄天物者驗之、多不善終。

或過于衣服、必貧而無衣、或過于飲食、必貧而無食。

中でも、

至于遺剰飯食飯粒于地以飼鶏犬者、往往皆餓死。

ほんとかな。

尋常虚費剪布帛者、多凍死。吾見亦多矣。

ほんとうに見て来たんですか。

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元・孔斉「至正直記」巻二より。格差社会になってしまって、そうではない(ぜいたくしてればずっとぜいたく、貧乏ならずっと貧乏な)のでみんな悩んでいるんですよね。ああ見よ、今日もかの政治家の方々の、均しからざるを憂えて苦悩し、党利党略して苦し紛れに自ら滅びようとする姿を。

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