礼之千金(これに千金を礼す)(「説苑」)
春秋時代のこと(だとして、漢の時代のひとが好き放題言うわけ)です。「怪しからん」と言いたいところですが、足や腰が痛くて、言う元気なんかありません。

カメなんかに負けるはずないでぴょん、と思っていても思わぬ筋肉痛で切羽詰まるかも。
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春秋の時代、斉の桓公が覇権を握った前七世紀ごろには、斉の近くに復槁という小さな都市国家がありました。
復槁の君が斉の桓公のところに参勤してきた。
もともと知恵ある人と評判だったので、
桓公問治民焉。
桓公、民を治むるを問う。
桓公は、人民を治める方法について質問してみた。
「いやいや私如きにお答えすることなどございませぬ・・・が」
と言いながら、
復槁之君、循口、操衿、抑心。
復槁の君、口を循(こす)り、衿を操(と)り、心を抑す。
復槁の君主は、手で口をこすった。それから服の襟をつかんで引っ張り上げた。さらに心臓を抑えた。
「むむむ!」
肝冷庵の解釈:(ああ腹が減った、何か食いたいのう。首が締まるとイヤじゃのう。最近どうも心臓がのう・・・。いずれにせよ、桓公の質問に答えて反論されてみじめな気持ちになるのはイヤじゃ)
桓公の解釈:与民甘苦饑寒乎。
民と甘苦饑寒をともにせよ、とか。
口をいじって、人民と、「食べ物への満足・不足」、襟を引っ張って「寒さ暑さ」、胸を抑えて「ともに悩め」、というか。
しかも、
夫以我為聖人也、故不用言而諭。
それ、我を以て聖人為すや、故に言を用いずして諭(さと)すなり。
そして、わしを聖人、あるいは聖人を目指す者として扱って、自ら悟るように、コトバなど用いずに教えてくれたのじゃ。
ありがたや。
因礼之千金。
因りてこれに千金を礼す。
そこで、復槁の君に千万円の黄金を献上して礼儀を尽くした。
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漢・劉向「説苑」巻七「政理篇」より。肝冷斎の解釈とどちらがより正解に近いであろうか。腹が痛いのは腹筋が痛いのだとわかってきました。とにかく全体として筋肉痛だ。いてて。どうなっとるのだ、怪しからん。
あなたは裏金問題口噤む。若い者を持ち上げる。ぐぐっと刺さったワンフレーズ。というふうに読みますか。うむ。さすがじゃ。
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