皆是類也(みなこの類なり)(「韓非子」)
今日は40年以上前の知人たちと飲み会した。おもしろかった。わははは。久しぶりで心の底から笑いました。

マーニーよ、何を忙しく働くか。仕事は確かにオモシロい時はオモシロいです。しかし利益が企業の積立金になっていたとは。
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衛人嫁其子而教之曰、必私積聚。為人婦而出常也、其成居幸也。
衛ひとのその子を嫁するにこれに教えて曰く、「必ず私(ひそ)かに聚むるを積め。人の婦たりて出ださるるは常なり、その居を成すは幸いなればなり」と。
「韓非子」の文章は少しクセがあって読みづらいところがありますが、そんなに難しいことは言ってないので、読み下してみるとわかりやすいです。
衛の国のひとが、娘を嫁にやるときに、彼女に教えた。
「よいか、必ずひそかな貯金(「へそくり」)を増やすように。人の嫁になって、離縁して追い出されるのは普通のことだからな。その家に居続けることができるのは幸運だと思わねばならん」
「あい」
其子因私積聚。其姑以為多私、而出之。
その子、因りて私かに聚むるを積む。その姑、以て私多しと為し、これを出だせり。
娘は、親の教えに沿って、へそくりを貯めまくった。しゅうとめ(この人が「主婦」です。家の中のことは「主婦」が切り盛りします)は、この嫁がへそくりを貯めすぎるので、これはいけないと考えて、離縁した。
其子所以反者、倍其所以嫁、其父不自罪於教子非也、而自知其益富。
その子の以て反(かえ)るところは、その以て嫁するところに倍し、その父、子を教うるの非なるにおいて自ら罪せず、自らその富を益すを知る。
娘が持って帰ってきた資産(へそくり)は、彼女が嫁に行くときに持たせた持参金の倍になっていた。おやじは、娘に教えたことが間違っていたのだと反省することは全く無く、自分の教えで財産を増やしたことだけを理解したのである。
今人臣之処官者、皆是類也。
今、人臣の官に処(お)る者、みなこの類なり。
現代において、その国の自由民であって役人としての地位を持っている者は、みんなこの父・娘の同類である。
本当の目的はなんであったかを見失って、目先の利益だけを考えているというわけじゃ。
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「韓非子」説林篇より。韓非先生の教え(役人よ、いい加減にせよ)も心に響きますが、わたくしどものこの40年以上の人生の決算もだいたいこんな感じでありましょう。小金を稼いだだけで、大切なものは見失ったままで生きてしまったのである。大企業の積立金のために働いて、その労働時間で大切な部分が削除された、ということで答え合わせ完了?
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