10月6日 ほうほうノーベル賞をのう

唔伊稍稍(唔伊(ごい)、稍稍たり)(「梅墩詩鈔」)

中秋の名月ですので、月に関係する詩を読んでみましょう。

実は満月は明日なのでぴょん。

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江戸時代も半ば過ぎ、山中の友人のところに行ってちょっと酒も出て気持ちよくなったが、泊まりこむわけにもいかんので、夕暮れにおいとました。

出門残日已虞淵、半路酒醒心悄然。

「虞淵」(ぐえん)は「楚辞(遠遊篇)」に出て来る太陽の没する湖のことです。

平野草枯風廣漠、秋渓水痩月潺湲。

「廣漠」は「荘子」の「廣莫の野」(広くて何もない原野)を風が吹いてくることでしょう。「潺湲」は、浅い水が流れるオノマトペ。「さらさら」が一番近いでしょうか。月明かりのある夜だとわかります。

とっぷりと夜になってしまいました。

梟啼似鬼隠祠櫟、剣気如虹浮墓田。

ああ不気味だなあ。

だが、

独喜門生猶未寝、唔伊稍稍隔林伝。

「唔伊」(ごい)は読書の声。

もうすぐ家に着きます。

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本朝・広瀬旭窗「遊山家夜帰」(山家に遊んで夜帰る)(「梅墩詩鈔」所収)(清・兪樾編「東瀛詩選」巻二三より)。弟子たちが先生がいないので酔っぱらってたり、先生の悪口言ってたりしてなくてよかったです。このようにマジメに勉強していれば、知能指数は別として、ノーベル賞ももらえるカモ。

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