牧豕吹竽(豕(し)を牧し竽(う)を吹く)(「列仙伝」)
いんたーねっとの操作のことを言っています。それ以外のことは、ブタを飼うのも笛を吹くのも難しい。

簡単に飼えるものではないでぶー。意外とめんどくさい性格でぶー。
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漢のころのひと、商丘子胥(しょうきゅう・ししょ)は、河北・高邑のひとである。
好牧豕吹竽、年七十、不娶婦而不老。
豕(し)を牧し、竽(う)を吹くを好みて、年七十にして婦を娶らず、而して老いず。
ブタを飼い、笛を吹くのが好きらしい。もう七十歳になろうとしているが、ヨメはなく、そして年を取らないのだった。
邑人多奇之、従受道、問其要。
邑人多くこれを奇とし、従いて道を受け、その要を問う。
郷里では多くのひとが彼を「すごい」と思って、どうやったらそうなれるのか(「不老」という点です。ヨメがいないという点は学ぶ気はないようです)知りたいと思い、ポイントは何か、と訊いた。
答えて言うに、
但食朮菖蒲根、飲水、不饑不老、如此。
ただ朮と菖蒲の根を食らい、水を飲まば、饑えず老いざることかくの如し。
「植物の「おけら」と菖蒲の根だけを食い、あとは水さえ飲んでおれば、腹も減らんし、年もとらんで、わしのようになる」
と。
さきほど「七十歳になろうとしている・・・」といいましたが、実はそれは見かけだけで、
伝世見之、三百余年。
伝世これを見ること、三百余年なり。
世間では代々彼をみた、という人があり、三百年以上は生きているらしかった。
貴戚富室聞之、取而服之、不能終歳、輒止堕慢矣。謂将復有匿術也。
貴戚・富室これを聞き、取りてこれを服すも、終歳能わず、すなわち堕慢に止まるのみなり。謂うに、「まさにまた匿術有らん」と。
身分高いひとの親戚や富を保有する家の人らは、彼の話を聴いて、それ(おけらや菖蒲の根)を採集してきて服用するのだが、一年もそんな生活が続くはずはなく、途中でサボって止めてしまうのだった。その上で、「(こんなことで不老長寿になれるはずがないので止めてしまうのだ。)あの人には、ほんとの秘訣があるのだが、それを隠しているのだろう」と言うのであった。
本当のことは簡単なんです。ただ、それを続けるのが難しいのだ。
賛して曰く、
商丘幽棲、韞櫝妙術。渇飲寒泉、饑茹蒲朮。吹竽牧豕、卓犖奇出、道足無求、楽玆永日。
商丘は幽棲し、妙術を櫝(とく)に韞(おさ)む。渇きては寒泉に飲み、饑えては蒲朮を茹ず。竽を吹き豕を牧し、卓犖(たくらく)として奇出し、道足りて求むる無く、ここに永日を楽しむ。
商丘さまは隠れ住み、すてきな術を箱に隠しているとのうわさ。
(しかし術というのは)のどが渇けば冷たい泉の水を飲み、腹がへったらガラやオケラを茹でて食う(というだけのこと)。
笛を吹き、ブタを飼い、すぐれたすごい人として抜きんでて目立ち、修行はもう十分でこれ以上はせずに、この永遠の日々を楽しんでおられる。
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伝・漢・劉向「列仙伝」巻下より。もう少しでこの人になれそうなんです(とりあえずは年齢とヨメがいない、という点だけですが)。世間の誹謗中傷(があれば、ですが)に負けないように訓練してがんばるぞ。
みなさんも、訓練で失敗しないようにあらかじめ打ち合わせして対応のわかっていることだけを訓練しなければなりません。
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