色黒時白(色黒く時に白し)(「列仙伝」)
季節の変わり目は変な人でます。自分のことを考えていればわかる。ひひひ。

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前漢のころのこと、と思われますが、桂父(けいほ)という人がいた。
象林人也。
象林のひとなり。
象林のひとである。
象林というのはベトナムの南の方のことである。
この人は、
色黒而時白、時黄、時赤。
色黒くして時に白く、時に黄に、時に赤し。
色が黒いのだが、時には白くなり、時には黄色に、時には赤くなった。
文明人のみなさんから見ると大したことはない、と思うがしれませんが、
南海人見而尊事之。
南海びと、見て尊びてこれに事(つか)う。
南海の人たちは彼の変色に感心して尊敬し、ペコペコした。
常服桂及葵以亀脳和之。千丸十斤桂。
常に桂及び葵を亀脳を以て和して服す。千丸に十斤の桂なり。
いつもカツラとアオイをカメの脳みそにまぜて服用していた。1000粒で十斤分のカツラになる。
一斤は200グラム超、つまり1000粒で2キログラム以上、一粒に2グラム入っていることになります。かなり純度は高そうだ。鼻くそではないのです。
累世見之。今荊州之南尚有桂丸。
累世これを見る。今荊州の南になお桂丸有り。
何世代にもわたって桂父とその桂丸は、人々の目に触れた。なお、今でも荊州南部では桂丸という薬を見かけることがあるという。
すばらしいではありませんか。
贊(ほめ歌)に曰く
偉哉桂父、挺直遐畿。
偉なるかな桂父、遐(とお)き畿に挺直す。
偉大だなあ、桂父さま、はるかな地域(ベトナム)で有名である。
霊葵内潤、丹桂外綏。
霊葵内を潤し、丹桂は外を綏(やす)んず。
不思議なアオイで精神を潤わせ、赤い桂の実で身体を安定させるのだ。
怡怡柔顔、代代同輝。
怡怡(いい)たる柔顔、代代輝きを同じうす。
ニコニコとした優しいピカピカの顔を、何世代も仰ぎ見てきた。
道播東南、奕世莫違。
道は東南に播(し)かれ、奕世(えきせい)違うなし。
道の教えははるかな南のベトナムにまで広がり、何世代もかわることはない。
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漢・劉向「列仙伝」巻上より。長生きしていいなあ。もともと南海の人は長生きだったのかも知れません。ようしおれもこれからがんばって・・・と思いましたが、がんばるということができないのでした。ゲー生もしてないなあ。
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