8月30日 大したことなかったではありませんか

飲水無度(飲水度無し)(「双槐歳鈔」)

南関東地方37度、名古屋40度のすごい暑さとの予報でした。暑かったしふらふらになり、意識を失うかも、というぐらい記録的に暑かった。飲料水(いわゆる「冷やし物」)やアイスなどをがりがり食って腹が破裂しそうになりました。歩くのもイヤですがスマホが熱持って使えなくなった。でも、要するに過去の自分の経験との比較ですごく暑かったのであって、これから先の地球温暖化、ヒートアイランド化の進んだ未来の暑さに比べれば大したことありませんでしたね、と言っておきますね。未来のことはわたしは知りませんけど、みなさんは必ず「あまりにも暑い。むかしは大したことなかった・・・」とつぶやくに違いないであろう。

最近の夏は、熱中しながら、こんなのに水入れてがんがん飲むことが多い。

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明の正統年間(1436~49)のことだそうですが、浙江・呉江の周礼という人、広西の思恩というところに行商に出かけた。その地で、陳氏の女がしばらく前にだんなを亡くして実家に帰ってきていたところへ婿入りして、世帯を持った。

凡二十年、有子已十六歳矣。

実家を出てから二十年経ったというので、周礼は一度実家に帰ってみることにした。女房は止めるように言ったが、周は聴かない。息子に「広い世間を見せたい」から息子も連れて行くという。いよいよ出発という前の日の晩に、女房は「仕方ないわねえ」と周のために特別に豪華な料理を作って餞別した。
女房、朝の見送りの際に、息子にそっと言うに、

置蠱食中、父不知也。若父肯還、則与医治。

気持ちが無ければそのまま治療されないのです。

因授以解蠱之法。

周礼父子は数か月の旅をして周の実家に着いた。

そのころから、

蠱発、腹脹、飲水無度。

其子因請還期、礼曰、吾亦思汝母、奈病何。稍瘥即行矣。

そこで、息子は言った、

「よかった。帰る気はあるんだね。それなら、

児能治之。

そして、

反接礼于柱上、礼告渇、以瓦盆盛水近口傍、欲飲、即掣去之。

如是者亡慮数百次、煩劇不可当、遂吐出一鯽魚。溌剌尚活。腹遂消。

「鯽魚」は「ふな」のことだそうです。

よかったですね。ついでに内臓脂肪も燃焼させることができればよいのですが、そちらは無理でしょう。

蓋蛮中多有限年限月之蠱、稍逾期、則毒発不可救。故寡婦号鬼妻、人不敢近、旅客娶之、多受害焉。

アブなかった。気をつけます。

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明・黄瑜「双槐歳鈔」巻五より。この本、五年ぐらい前に読んでいるようですが、その時にわたくし「コワイヨー」という感想をメモしています。でも問答無用にコロすのではないんですから、「大してコワクナイヨー」と書くべきでしたね。

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