8月24日 鳥獣は進化しているのかも知れません

唐虞之際(唐と虞の際)(「幽夢影」)

むかしはよかった・・・と思うのですが、今の方がいいひともいるんでしょうね。

また鳥獣の話になってしまいました。この絵は使い勝手があるなあ。

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「尚書」(書経)の「舜典」によれば、超古代の舜帝の時代、音楽を奏すると、

鳳凰来儀、百獣率舞。

というのです。あほですね。音楽に惹かれてやってきたりすると、堯や舜のような立派な人であれば大丈夫ですが、ふつうの人間相手なら捕まえられて食べられてしまいます。近代以降の人間なら大量に捕まえて絶滅するまで食べます。

しかしながら、清の時代になりますと、

唐虞之際、音楽可感鳥獣。此蓋唐虞之鳥獣、故可感耳。若後世之鳥獣、恐未必然。

「唐」は堯帝の姓、「虞」は舜帝の姓です。世襲でなく「禅譲」しているので姓が違っているんです。

と騙されなくなりました。鳥獣は進化したようです。

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清・張心斎「幽夢影」第184則。わたしの知っているネコのうち、首里のネコはピアノの音を聞くと「にゃーにゃー」鳴きますし、戸田のバグパイプネコはおしりを叩くと「にゃーにゃー」「ぼえーぼえー」「うーうー」の三音程で鳴きます。ほんとですよ。現代でも鳥獣は音楽に感動しているかどうかは知らんけど反応はするようです。騙されはしないと思います。

「幽夢影評語」に曰く、

洪去蕪曰、然則鳥獣亦随世道為昇降耶。

陳康疇曰、後世之鳥獣、応是後世之人所化身、即不無昇降、正未可知。

石天外曰、鳥獣自是可感、但無唐虞音楽耳。

畢右万曰、後世之鳥獣、与唐虞之鳥獣無異、但後世之人迥不同耳。

清代のみなさんは進化論を知らないので混乱していますが、どう考えても音楽に騙されるような鳥獣は淘汰されたのです。ダメなやつが淘汰されると種としては進化したことになる・・・近現代は厳しいなあ。

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