7月28日 明日暑いのに外勤へ、ハラスかも

流離之思(流離の思い)(「倦游雑録」)

なんでこんな暑い日にこんなことになるのか。浮雲です。あ、「不運」と打とうとして「浮雲」になりました。こちらの方がいい感じ。

ゆすりかも雲のように流れて行くよ。中間管理職のようだ。

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北宋の王平甫、といえば王安石(介甫)の弟・王安国のことですが、性格のきつい兄貴に比べて、人格も識見も温和ないい人だったらしいんです。だが、

以高才碩学、勁正不附麗。

であったという。
神宗の煕寧年間(1068~77)、ある秋の日に、新しい宮廷の歌を作れという指示があって、「点絳唇」(絳(あか)を点じた唇、「口紅さして」)という詞を作った。

其旨蓋有所刺、以示其游。

それを見た先輩の魏泰は「おお」と嘆息して、言った。

公之辞美矣。然断章乃流離之思、何也。

果たして翌年、

平甫竟以讒得罪、廃帰金陵。

歌詞にあった、

宝瑟塵生、金雁空零落。情無托、髩雲重掠、不似君恩蒲。

のとおり、捨てられて流されたというわけである。

そのころ、高麗からの使者が来て、王平甫の作品集を求めた。

有旨令権知開封府元厚之内翰抄録以賜。

そこで、元厚之は王平甫に新作が無いかと問い合わせてきた。

平甫以詩戯厚之、曰、誰使詩仙来鳳沼、欲伝賈客過鶏林。

「鳳沼」は「鳳凰池」のことで、文人たちの集まるところ。「鶏林」は朝鮮の古称。

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宋・張師正「倦游雑録」より。立派な詩に見えますが、これでも「ふざけている」と言われるのです。みなさん、大したこと言ってないと思っていても、肝冷庵にはつらい言葉になっているのかも知れませんよ。

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