6月21日 夏至。もう夏も終わりだ。さようなら

盗取月光(月光を盗取す)(「淥水亭雑識」)

これから山開きの高山もあるでしょう。山登りに行くひとは気をつけてください。

おれはきんたろう。日本の山中にはおれたちの仲間がまだまだいるぞ。就職とかしてないと思うから、ここらへんにはいないはず。

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山中には常人には思いも寄らないことがあるのである。

労山、青城、太白、武当、諸深山、人迹不至之地、有宋元以来不死之人。

その人たちは、

皮著於骨、見者返走。皆草仙也。

このような草仙は、

唯絶於人元而地元天元則可作。

―――「人元」「地元」「天元」? それはなんでしょうか。

山中にはまた「鹿仙」がいる。

鹿仙非鹿成仙也。

―――はあ。

山中道士知人元之法者、以鹿代人取薬物以有成者之名也。

―――なるほど、「人元」は、それを使うとシカが人間のように使える、というのですから、どうやら「人間の本質の素」のようなものと思われます。では「地元」は?

人唯種禾以取米、則糠自得。本無種糠之法。

―――はあ。

地元之用金石亦然。而世之種糠者甚多。

富や地位のような「ヌカ」を得るために、えらい人に取入てみたり互いに争ったり、実に下らぬことをしている。

―――まったくですよね。

天元については、

金華人家忌畜純白猫。

ということが参考になるだろう。なぜかというに、白ネコは、

能夜蹲瓦頂、盗取月光。

―――はあ?

則成精為患也。獣亦知天元哉。

―――いや、その前に、わたしがわかりません。

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清・納蘭性徳「淥水亭雑識」より。まさに「雑識」ですね。しかし、こういうのを知らないと知識人とは言えません。東洋では。

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