5月26日 今日はいろいろうまくいかなかった

一髪不可牽(一髪も牽くべからず)

少しぐらい髪の毛引き抜かれてもいいやー、というぐらいののんびり感がないといけませんよね。これぐらいの失敗で挫けていたら、これからさらに老いて行うであろう失敗に耐えられなくなるぞ。はい、わかりましたー。

髪の毛が無くなってしまえば、もう抜かれる心配はないのじゃ。

・・・・・・・・・・・・・・・

黔首本骨肉、天地本比隣。一髪不可牽、牽之動全身。

聖者胞与言、夫豈夸大陳。四海変秋気、一室難為春。

宗周若蠢蠢、嫠緯焼為塵。所以慷慨士、不得不悲辛。

「左伝」昭公二十四年(前670)、鄭伯が晋に行った。この時、晋に宰相・范献子が鄭伯の参謀・子大叔に言った、

若王室何。

子大叔は驚いたように言った、

老夫其国家不能恤、敢及王室。抑人亦有言。

と、つぶやきだしたその言とは、

嫠不恤其緯、而憂宗周之隕。為将及焉。

「嫠」は寡婦。

と。

今王室実蠢蠢焉、吾小国懼矣。

「蠢蠢」はあちこち蠢いて、方向性が定まらないことのオノマトペ。

というこのエピソードに「嫠」(寡婦)や「緯」(よこいと)「蠢蠢」(もぞもぞ)といったキーワードが出てきます。作者はさらに手練れですから、この「左伝」の「嫠の緯」の喩を少しずらして、寡婦が心配するはずの緯糸も、もう敗戦の中で燃え尽きてしまうだろう、もうおしまいだー、と言っています。ここらへんの捻り方は、巧いですね。

看花憶黄河、対月思西秦。貴官勿三思、以我為杞人。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

清・龔自珍「定盦文集」より「自春徂秋、偶有所触、拉雑書之、漫不詮次。得十五首」のうち、第二。長い題名なので読み下します。

と書いてあります。まだ鴉片戦争も始まらない、東亜の夜明け前です。なんでこの人、こんなに危機感でいっぱいなのでしょうか。もっと楽にしてくさい。新入社員も

ホームへ
日録目次へ

コメントを残す