5月17日 しもじもは時に危険なことをしでかす

遂堕於此(遂にここに堕つ)(「奇聞類紀摘抄」)

しもじもは何を仕出かすかわかりません。大切な石馬を壊したり、本社で決まっている事業に反対したり・・・。

暑くなってきていたと考えれば、水を飲みに行くことは批判さるべきことではないでヒン。定期的に水を捧げていないニンゲンが悪いでヒヒーン。

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明・萬暦のころの伝説です。昔のことですから、科学的でないと批判してはいけません。

蘇州の町の城外で、

夜有二馬飲于河。

らしい。

らしい、というのは、飲んでいる姿を見たのはただ一人だけだからである。

天曙、為負蒭者驚見叱之、遂昂首而止。

この二頭の馬は、なんと石馬だったのである。

一方、

是暁、城東禅法寺有一妙善遍訪市野。

「どうなさった?」

公主墓已失二石馬矣。

「ええー!」

と町の人たちがこの寺男を川のほとりの石馬のところに案内したが、

地人懼其復為怪、損其額。

破壊されてしまっているものを引き取ることもできず、

遂堕於此。今名石馬鞍頭。

わしの言うことは信じられない、というやつもいるかも知れんが、

此元末、国初之事也。西樵野記。

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明・施顕卿「奇聞類紀摘抄」巻二より。この本は、「変なことを聞いたのをグループ分けして簡略化してメモした」というような題名です。しかし「石馬飲河」というグループには、この話しか入っていません。やはり珍しいことだったのでしょう。地元民が壊してくれてなかったら、いったいどんな悪さをしたことか、と考えると、地元民のおかげでこれぐらいで済んでよかったです。

旧肝冷斎ではこの本をよく引用していたのですが、ここに移ってきてからはまだ二回目です。やっぱりおもしろいのと、いろいろ補わないと意味が通りづらい短い文章(メモなんだと思います)が、却って短い引用で済んでありがたい。

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