将牛何処去(牛を将(ひき)て何処にか去(ゆ)く)(「元次山集」)
どこかに行かないといけません。涼しいところがいいのだが。

牛は牛連れ、馬は馬連れ。みんな自分に合った相手と一緒に行動するものでモー。派閥肯定論かも知れんでモー。
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今日は唐の時代です。仲間と行くことにした。
将牛何処去。耕彼故城東。
牛を将(ひ)きて何処にか去(ゆ)く。彼の故城の東に耕さん。
ウシを引っ張ってどこに行こうとしてなさる?
あそこの古いお城の東の畑へ、耕やしに行ってまいります。
相伴有田父、相歓惟牧童。
相伴なうに田父有り、相歓ぶはこれ牧童。
一緒に行くのはお百姓、牛飼い童も大喜び。
牛飼い童は他のウシを連れ、一緒方向に行くのがうれしいらしい。
将牛何処去。耕彼西陽城。
牛を将(ひ)きて何処にか去(ゆ)く。彼の西陽の城に耕さん。
ウシを引っ張ってどこに行こうとしてなさる?
あそこの山の西麓のお城の畑へ、耕やしに行ってまいります。
叔簡修農具、直者伴我耕。(原注:叔簡叟甥、直者長子)
叔簡は農具を修め、直者は我が耕やすに伴う。(原注、叔簡は叟の甥、直者は長子なり)
甥の叔簡が農具を整備しておいてくれた。息子の直者と一緒に耕やしに行く。
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唐・元結(字・次山)「将牛歌」。当時の民謡を真似て作ったということですが、「叔簡」は「飾り気なし」、「直者」は「すなおな心」の意味なので、寓意詩とも読めます。まあなんにしろもう人の目を気にしたり頭を下げたりはしないことじゃ。
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