5月12日 現金給付は効果はあると思います

旦奭之美(旦、奭の美)(「後漢書」)

誰かのためにやってるんです、と言わないと、「何でそんなことしてたんだ」と言われた時に答えられませんよね。エンマさまにも訊かれるかも知れん。なので人間には国や主君や会社など、忠節の対象が必要なんだそうです。

現金給付でもらったおカネはあぶく銭だから身に着かないだけよね。

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後漢の終り頃、こんな手紙が遺っています。誰から誰への手紙かわかりますか。

使君与国同規、而舎是弗恤、完然有自取之志、懼非海内企望之意也。

成湯討桀、称有夏多罪。武王伐紂、曰殷有重罰。

此二王者、雖有聖徳、仮使時無失道之過、無由逼而取也。

今主上非有悪於天下、徒以幼小脅於彊臣、異於湯武之時也。

又聞幼主明智聡敏、有夙成之徳、天下雖未被其恩、咸帰心焉。若輔而興之、則旦奭之美、率土所望也。

「旦」と「奭」は「〇田飴」ではなくて、周公旦と召公奭でした。

使君五世相承、為漢宰輔、栄寵之盛、莫与為比、宜効忠守節、以報王室。

ところが、

時人多惑図緯之言、妄牽非類之文、苟以悦主為美、不顧成敗之計、古今所慎、可不熟慮。

忠言逆耳、駮議致憎。苟有益於尊明、無所致辞。

「駮」(ハク)はまだらの馬。「駮議」は(まだら模様のように)いろんな意見がでる会議、です。

なので、これも気にくわないかも知れませんね。

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「後漢書」巻七十五「袁術列伝」より。この手紙は、建安の初年に、江東の孫策が袁術に向かって書いたものです。孫策さまは若いし、強いだけの武将かと思ってましたが、文章もわかりやすくていいし、忠義の心が溢れておられるのでございます。

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