1月12日 虫よけスプレー的なものかも

殺狗磔門(狗を殺して門に磔(たく)す)(「風俗通」)

「磔」(たく)の字は、「桀」(けつ)に「石」偏が付く。「舛」(せん)は右左が互い違いに背いた足の姿で、鳥の足の象形ともいいます。これを「木」に載せた「桀」は鳥の足が木の上にある「止まり木」の意、とも、木にばらばらにされた足を掛ける刑罰(はりつけ刑)の意とも言う。
我が国では「磔」で「はりつけ刑」を意味しますが、チャイナでは「桀」が逆さはりつけで、それに更に「拆く」の意味を持つ「石」偏が付いているので、ドウブツ(人間含む)を「ばらばらにして門などにはりつけ、それによって「悪いモノ」の入るのを防ぐ儀礼」のことを指します。

「てめえらが、まずやられてこい」とイヌが言い

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以上のめんどくさい解説を踏まえて、チャイナ古代の春先に行われた

殺狗磔邑四門。

という儀礼について解説します。

俗説、狗別賓主、善守御、故著四門、以辟盗賊也。

謹按。

この説は間違っている。うっかり信じてはダメダメである。

「礼記」月令篇には、春の行事として、

九門磔禳、以畢春気。

と書いてある。注意しなければならないのは、

天子之城十有二門。

ということである。12-9=3、ですから、あと三つの門があります。

東方三門、生気之門也、不欲使死物見于生門、故独于九門殺狗磔禳。

だいたいですな、

犬者、金畜。禳者、却也。抑金使不害春時之所生、令万物遂成其性。

これに加えて、

火当受而長之、故曰以畢春気。功成而退、木行終也。

万物は、春・木→夏・火→秋・金→冬・水の「行」(性質、ぐらいの意味でしょうか)で順繰りに回っていく、土行だけは全ての季節を通じて影響を及ぼしている、という「五行」思想を前提にしないとわけがわかりませんが、前提にしたところで現代の賢い我われには理解しずらいと思いますが、ガマンしましょう。

「史記」封禅書にいう、秦は徳公(在位前677~676)の時、いずれ子孫が中原に進出することが出来るように、と、雍の地に都を定めたが、その時、

始殺狗磔邑四門、以御蠱菑。

と書いてあります。

今人殺白犬以血題門戸、正月白犬血辟除不祥、取法于此也。

つまり、イヌが主人と他人を見分けるから、というような子どもっぽい議論ではなく、五行説に基づいた科学的な行動なのである。
ちなみに、この「現代人」は後漢の時代のひとのことです。みなさんのことではありません。

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漢・応劭「風俗通」祀典・第八より。うーん、勉強になった。大昔のまちづくりです。現代のまちづくりは重要なので若い人が学べばいいが、もうこれからどんどん老いてもうろくして行かねばならないというのに、こんなに賢くなってしまってはいけません、というぐらい勉強しました。知識をどんどん詰め込んでしまったので、頭蓋骨が「ぎし、ぎし」と不気味な音を立て始めています。寒いし、そろそろハレツするかも。

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