恣其取去(恣いままにそれを取り去らしむ)(「何氏語林」)
もうほんとに今年も終わり。もう借金も払いました。あと残っている分はどうするか。岡本全勝さんにも強引に引用させていただき、お世話になりました。

おれたちを分配しても、貧しい者にはカロリーが足らないぜ。
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元のころ、暢師文というひとは太平路の総管に任ぜられた。
公田収米、積之盈屋。
公田の米を収めて、これを積むこと屋に盈つ。
総管の給与として水田の収穫物が集まってきて、収蔵庫いっぱいになった。
すると、暢は言った、
我家幾人、能尽食此乎。
我が家幾人ぞ、よくこれを食らい尽くさんや。
「うちは何人家族だっけ。こんなに食べ尽くせるはずないだろう」
そして、
呼貧士、及細民、恣其取去。
貧士及び細民を呼びて、ほしいままにそれを取り去らしめたり。
貧乏な士族と困窮している人民に呼びかけ、好きなだけ持って行かせたのである。
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明・何良俊「何氏語林」巻三より。暢師文は字を純父といい、洛陽のひと、
好奇尚怪。
奇を好み、怪を尚(たっと)ぶ。
変なことが好きで、おかしなことを喜んだ。
という(「硯北雑志」による)いかにも元末のひとらしい風変りなひとですが、やってることも行政組織が崩壊しつつあった元末らしいいい加減さです。分配するなら減税すればいいのに、と思うかも知れませんが、余らせておくよりはいいでしょう。
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