12月22日 心無しか日が永くなったような

惟黒与白(ただ黒と白のみ)(「幽夢影」)

今夜も寒いです。雪国はもっと寒く、もう白と黒だけの世界なのでしょう。やる気なくなりますよね。

白と黒だけだと真実がより浮き出して見えるではありませんか。

・・・・・・・・・・・・・・・

五色有太過、有不及。惟黒与白無太過。

「老子」第十二章

五色令人目盲。

という言葉がありますが、

目をくらませることのない黒と白こそが天地の正しい色なのである。派手な色に目をくらまされてはいけません。

・・・・・・・・・・・・・・・

清・張心齋「幽夢影」第139則

これに対して、「評語」が書き込まれます。

杜茶村:君独不聞唐有李太白乎。

茶村先生・杜浚は明末清初の金陵のひと。仕えず、遺民と称される。

我有絶糧、無絶茶。

の名言があります。

江含徴:又不聞、玄之又玄乎。

江之蘭、字・含徴、香雪斎と称す、安徽のひと、医に詳しく、張心齋の友人、「幽夢影」の跋語を書いた。

以上、白にも黒にも「目をくらませるような場合もある」と言ってます。

尤悔庵:知此道者、其惟奕乎。

尤侗、字・同人、悔庵と号す、明末清初の江蘇・長洲のひと、康熙帝のとき博学鴻儒の試に応じ、明史の編集に加わる。後、帰省するが、康熙帝の巡幸のとき詩を献じ、翰林に抜擢された。家に女楽(女性楽団)を養った風流の人としても名高い。

最後に、ビッグネームが書き込んでいます。もちろん、誰かのいたずらですが、

老子:知其白、守其黒。

「老子」第二十八章にこうあります。

知其白、守其黒、為天下式。為天下式、常徳不忒、復於無極。

「老子」の言葉は古代の秘密結社の合言葉なのか、何やら真の意味を隠した暗号のようにも見えるのですが、とりあえず解釈をしてみると、

なんじゃこれ。・・・「知白守黒」という老子思想の根幹を為す有名なところらしいので、百回ぐらい、なんとか理解できるようにつなぎ合わせて考えてみてください。

ということで、老子さまの評語は、

というぐらいの感じでしょう・・・か。面従腹背だとやる気なくなりますよね。この題名だけ見たら自分のことかと思ってしまいました。

ホームへ
日録目次へ

コメントを残す