12月20日 年末までノルマが続き悩みのたねに

窮士帰心(窮士心を帰す)(「淮南子」)

年賀状が悩みのタネになることがそもそも・・・。

歳をとったら無用の用じゃ。わかっておるのかな?

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戦国のころ、斉の有力者・田子方が馬車に乗って出かけた時、

見老馬於道、喟然有志焉。

田子方は御者に訊いた、

此何馬也。

御者は答えた、

故公家畜也。罷而不為用、故出放之也。

「ふーん」

田子方はしばらく考えて、言った、

少尽其力、而老棄其身、仁者不為也。

そして、

束帛而贖之。

窮士聞之、知所帰心矣。

SNSで情報が拡散されたのでしょうか。

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「淮南子」人間訓より。うっしっし。肝冷庵一族は年賀状を書かないので、ヒマに任せて考えてみます。

あ)老いたウマを大切にするといいことがあるかも。老害をうまく利用したものです。老害も大切にしてやろうではないか(してくだされ)。
い)いやいやそうではない。天下の士のうち「窮」しているやつらだけが心を帰してくるのだから、損だ。年金制度が崩壊する。

みなさんはいずれの意見に与みしますか。

実はこのお話は単なる「寓話」ではなく、下剋上の時代に、斉侯(姜姓)から国を乗っ取ろうとしていた田子方の行動である、という認識があると、一気に陰影のあるエピソードになりますね。

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