三十六禽(三十六禽)(「庸閒斎筆記」)
以前はネコ・タヌキ・ウナギ・すっぽんなどが入っていたのだ。

三十六もいるならこたつにでも入ってさぼっているでピョン。みんなよろしく!
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世以十二支配十二肖、由来久矣。
世に十二支を以て十二肖に配す、由来久しきかな。
現世において、十二支にそれぞれ十二のドウブツを所属させるのは、古くからのことである。
しかし、
殊不知古人一支有三禽、故称三十六禽。
ことに知らず、古人一支に三禽有りて故に三十六禽と称することを。
どうも昔は一支に三つのドウブツが配列されていて、あわせて三十六禽と呼ばれていたことは、ご存じないようだ。
三禽于一時之中、分朝昼暮、則取乎気之盛衰焉。
三禽、一時の中において、朝昼暮を分かち、すなわち気の盛衰を取るなり。
三つのドウブツは、一時刻の間に、朝・昼・晩の三つに分かれて対応している。これは、その時間帯の気が、盛んになったり落ちぶれたりすることから分かるはずです。
以下は文章になっているんですが、めんどくさいので箇条書きにします。
朝 昼 晩
子 ・・・ 燕 鼠 伏翼(こうもり)
丑 ・・・ 牛 蟹 鼈(すっぽん)
寅 ・・・ 狸 豹 虎
卯 ・・・ 猬(ハリネズミ)兎 貉(むじな)
辰 ・・・ 龍 蛟(みずち)魚
巳 ・・・ 鱔(うなぎ)蚯蚓(みみず)蛇
午 ・・・ 鹿 馬 獐(のろ)
未 ・・・ 羊 鷹 雁
申 ・・・ 猫 猨 猴
酉 ・・・ 雉 鶏 烏
戌 ・・・ 狗 狼 豺
亥 ・・・ 豕 玃 猪
此等皆上応天星、下属年命、三十六禽各作方位、為禽虫之長。領三百六十、而倍之至三千六百。並配五行、皆相貫領。
これらはみな上は天星に応じ、下は年命に属し、三十六禽おのおの方位を作して、禽虫の長となる。三百六十を領し、而してこれに倍して三千六百に至る。並びに五行に配し、みな相貫領す。
これらはすべて天上の星々に対応し、地上のその年の稔りや人心の帰趨の問題です。三十六のドウブツがそれぞれの方位のドウブツや小動物を支配し、十倍の三百六十種を指揮して、さらに倍々計算をしていくと、三千六百までいく。これらは並びに木・火・土・金・水の五つの事象に分類され、それぞれつながりあい、支配しあうのである。
これはわたし(←肝冷庵ではありません)が考えたのではありません。隋の蕭吉の「五行大義」にも載っていることです。
不知何時乃専用十二禽也。
知らず、いずれの時よりかすなわち専ら十二禽を用うるか。
いつごろから十二のドウブツだけに絞ってしまったのか、わからない。
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清・陳其元「庸閒齋筆記」巻七より。十二を三十六に増やしたのではなく、三十六が十二に減らされた、ということのようです。人口も減るんだから十二支も減っておかしくないか。そのうち六つぐらいになるかも。どうせ六つしかないならでかいのがいいですね。
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