12月5日 ふだん豆腐しか食べてないんです

所好者五(好むところのもの五あり)(「戦国策」)

職場の忘年会でした。人並みに飲み食いしてきたので、脈が不整な感じがします。

おそろしい魑魅魍魎たちだ。市民が軍を止めるほど民主主義が発達している国もあるというのに、わが国にはまだこんなやつらが蠢いているのであろう。
でも魑魅魍魎度では、こいつらよりこっちの方が問題では。肥大してるし。

・・・・・・・・・・・・・・・

昨日の続きです。

有間、王斗曰、昔先君桓公所好者五。

「ほう・・・、どんなことですかな」

・・・というところで昨日はあまりの眠さに終了しました。

今日は飲み食いして帰りの地下鉄などで眠ってきたので、今は覚めていますので、今のうちにやります。

桓公は九回諸侯を集結させ、天下を正しく一つにまとめた。周王はこれを嘉して大伯(覇者)とした、という名君である。その桓公には五つのお好みがあったという。

今王有四焉。

宣王説曰、寡人愚陋守斉国、唯恐失抎之。焉能有四焉。

王斗は澄ました顔をして言った、

否。先君好馬、王亦好馬。先君好狗、王亦好狗。先君好酒、王亦好酒。先君好色、王亦好色。先君好士、王不好士。

五つのうち四つもお好きではないですか」

「待て」

宣王は不愉快そうに言った、

当今之世、無士。寡人何好。

王斗曰く、

世無麒麟騄耳、王駟已備矣。世無東郭俊盧氏之狗、王之走狗已具矣。世無毛嬙西施、王宮已充矣。王亦不好士也、何患無士。

出てくる固有名詞の原典は、今日のところは引用しません。だんだん眠くなってきているので。寒いですし。暖房が無いんです。

「酒はどこへ行ったんだ!」と思われるひとも多いかと思いますが、王斗は酒については触れてないのですからしようがありません。王斗が忘れたのか、記録者が忘れたのかは不明。

王は言った、

寡人憂国愛民、固願得士以治之。

王斗言う、

王之憂国愛民、不若王愛尺縠也。

王は言った、

何謂也。

王使人為冠、不使左右便辟、而使工者、何也。為能之也。

今、王治斉、非左右便辟無使也。臣故曰、不如愛尺縠也。

「わかった」

宣王は言った、

寡人有罪国家。

於是挙士五人、任官。斉国大治。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「戦国策」斉策より。よし、ハッピーエンドだ。こんだけ怒らせたので車裂きとか手足ちょんぎりとかすごい死刑だろうと思いましたが、ご理解いただけた。やっと終わり。もう目がしょぼしょぼです。このあとまだお風呂に入って、ノルマ読書もあるんです。
桓公は、馬、イヌ、酒、女、人物の五つが好きだったわけですが、「今だけ、カネだけ、自分だけ、お友だちだけ、東京だけ」の「五だけ」のうち一つぐらいは止めて、できればみんなのものに・・・、などという考えは自己責任の新自由主義では許されません。「先君」たちのように五つ揃えよう。・・・と言っている人たちが今も魑魅魍魎のように潜んでいるかも知れませんよ。現役世代はがんばって。

ホームへ
日録目次へ

コメントを残す