天憫重労(天、重労を憫れむ)(「宣室志」)
飲み会。会場、地下鉄、帰ってきてPCの前、それぞれ爆睡。昼間も居眠りしてたのに、どうしてこんなに眠いのか。

ドウブツは眠っているときが一番シアワセでにょろ。おまえさんたちも、眠るために生きている、と考えればいいのだにょろん。しゅっしゅっ。(←舌を出し入れする音)
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隋の時代(西暦581年~618年)、長安の興福寺に十光仏院というという建物があり、
其院宇極壮麗。貞観中、寺僧以其年祀綿遠、慮有摧圯。
その院宇極めて壮麗なり。貞観中、寺僧、その年祀綿遠なるを以て、摧圯有るを慮る。
その建物はものすごく荘厳で華麗であった。唐の貞観年間(627~649)に至って、寺の僧は、その院が祀られはじめてから綿がつながるように長い年月が経っており、あちこちが壊れはじめているのを心配し出した。
調べてみると、隋の時代から扉が閉じられたままになっている。内部も相当傷んでいるものと推測された。
即経費計工、且欲新其土木、及将毀撤。既啓戸。
即ち経費し計工して、まさにその土木を新たにせんと欲し、毀撤せんとするに及ぶ。
そこで費用や工程を見積もって、新しく建て直すことにし、その建物は壊して取り除けることとなった。
計画が定まったので、中を片づけようとして、衆僧を集めて、
既啓戸。
既に戸を啓く。
ついに扉を開いた。
うひゃーーーー!!!!
その中には、
見有蛇万数、連貫其地、蟠繞如積。
蛇の万数有りて、その地に連貫し、蟠繞して積むが如きを見る。
ヘビが何万といて、地面からつながって、わだかまり縺れあい、積みあがっているのが、目に入ってきた。
ヘビたちは、「しゅうしゅう」と音を立てながら、
揺首呿喙、若蚕噬之状。
首を揺らして喙(かい)を呿(ひら)き、蚕噬の状のごとし。
鎌首を挙げてゆらゆらと揺らしながら、こちらに向けて口を開け(て威嚇し)ている。その様子は、まるでカイコが食ってギザギザになった桑の葉のように見えるほどである。
おもしろい表現ですね。
寺僧大懼、以為天憫重労、故仮霊変。
寺僧大いに懼れ、以て天の重労を憫(あわれ)みて、故に霊変を仮りると為す。
寺の僧はたいへんびっくりし、恐怖に襲われて、
「こ、これは、神さまがわたしどもが大変苦労しているので、これ以上この建物の建て替えで苦しまないで済むように、このような神秘の奇蹟をお示しになったのであるのです」
と考えることにしたのであった。
於是不敢除毀。
ここにおいて、敢えて除毀せず。
この結果、院は無理に壊すことを取りやめ、そのままにすることにした。
その後また長い年月が経った。興福寺そのものも何度か建て直しされており、この建物がどうなったのか、今となってはわからない。
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唐・張讀「宣室志」巻十より。なんだかよくわからない読後感が、いかにも伝説ぽくていいではありませんか。それにしても、あんまり眠いので、ヘビのようにわだかまり、にょろにょろして寝てしまう。起きたらヘビになっているかも。もうめんどくさいから冬眠するか。
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