11月24日 寒くなってきたがまだ耐えられる

不覚失笑(覚えず失笑す)(「分甘余話」)

世の中いろいろ可笑しいことばかりですね。103万は壁では無かった、わははは、とか。しかし事実としたら何かが面妖しいような・・・、まぼろしではなく103万円を超えた時の手続きがめんどくさすぎたりするのでは?

「わはは、こいつ精霊でかっぱ」
「おれたちみたいに妖怪に進化してから世の中に出て来いでワロ」
「あの、ぼくたちの方が笑われているかも・・・」

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漢代に官立の音楽隊であった「楽府」で、民間の歌謡が採用されて演奏されたことから、古典的な民謡を「楽府」(がふ)と言いますが、その中に、

江陵去揚州、三千三百里、已行一千三、所有二千在。

というのがあります。なお、漢代の一里は400メートルぐらいです。

この歌、

愈俚愈妙、然読之未有不失笑者。

もう二十年ほど前に、四川地方に赴任したことがあるが、任が解けて北京に帰ることになった帰り道の一泊目、新都の宿場に泊まったとき、

聞諸僕偶語。

甲が言う、

今日帰家、所余道路無幾矣。当酌酒相賀也。

乙が言った、

所余幾何。

甲が答えた、

已行四十里、所余不過五千九百六十里耳。

清代の一里≒580メートル、で計算してみてください。

余不覚失笑。而復悵然有越郷之悲。

此語雖謔、乃得楽府之意。

己丑年(康煕四十八年(1709))十一月十八日、雪を見ながら古い楽府の本を読んでいた。官を退いてからもう何年になるだろうか。もうあんな風に遠く旅することもあるまい。
ふと思いついてメモをする。

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清・王士禎「分甘余話」巻三より。今年も寒くなってきましたが、あの年も寒かったなあ。むかしは十一月でも雪が降ったんだ―――と思ってはいけません。当時は旧暦だったんです。

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