不求聞達(聞達を求めず)(「神仙伝」)
いかにケインズさまのご予想でも、富の分配や足るを知るなどの前提作業をしないと労働時間は短くならないのでしょう。100歳ぐらいになったら3時間でも許されるかも。

こんなので煮込んでもらったら天上世界に行けるかも。
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100歳なんて無理だ、と言っている人は、努力が足りないんです。数百歳まで生きた人はたくさんいるんです。
白石先生者、中黄丈人弟子也。至彭祖時、已二千歳余矣。
白石先生なるものは中黄丈人の弟子なり。彭祖の時に至りて、已に二千歳余なり。
白石先生というひとがいた。中黄丈人さまのお弟子である。春秋初期の時代(紀元前8世紀ぐらい?)に八百歳まで生きたという彭祖さまの時代に、すでに二千歳を越えていた。
というのである。いつごろ生まれたか計算してみてください。でも縄文土器よりは新しい?
この人は、
不肯修昇天之道、但取不死而已、不失人間之楽。
昇天の道を修むるを肯ぜず、ただ不死を取るのみして、人間(じんかん)の楽を失わず。
天上世界に昇る方法を学ぼうとはせず、(仙道のうち)ただ不死の状態を選んだのみで、人間世界での楽しみを手放そうとはしなかったのだ。
天上以上の人間世界での楽しみ、とは何であろうか。野球を観る、人を陥れる、美味いものを食う、タカラヅカ観に行く・・・といったところが考えられますが―――。
其所拠行者、正以交接之道為主、而金液之薬為上也。
その拠りて行うところのものは、正に交接の道を以て主と為し、而して金液の薬を上と為す。
彼の不老不死の手法というのは、第一にエッチの仕方による方法(直前と止めるとか、相手のエキスを吸い取るとか、いろいろあるんです)であり、次いで金属の溶けた液体薬を服用するのであった。
彭祖(当時五百歳ぐらい?)が訊いた、
何不服昇天之薬。
何ぞ昇天の薬を服さざる。
「どうして昇天の薬をお飲みにならないのですか」
そんな薬があるみたいです。
白石先生は答えて言った、
天上復能楽比人間乎。但莫使老死耳。天上多至尊、相奉事更苦於人間。
天上またよく楽しむこと、人間に比せんや。ただ老死せしむる莫きのみ。天上には至尊多く、相奉ずる事、さらに人間より苦しきなり。
「天上の楽しみは人間世界の楽しみほどではない(、人間世界の楽しみの方が大きい)からのう。ひっひっひ。ただ老いたり死んだりしないだけで十分じゃ。それに、天上世界にはたいへん尊い神仙の方々がたくさんいる。仙人同士で贈答したり挨拶したり互いにたてまつりあうことは、人間世界でのおつきあいよりさらに苦しいということだ」
だから昇天をせずに、人間世界に生きながらえているわけだそうだ。
時の人々は
呼白石先生為隠遁僊人。以其不汲汲於昇天為仙官、亦猶不求聞達者也。
白石先生を呼びて隠遁僊人と為す。その昇天して仙官と為るに汲汲とせざる、またなお聞達を求めざる者のごときなり。
白石先生を「仙人の隠者さま」と呼んだ。彼が、天に昇って仙界の役人になることに必死でないところが、この世で朝廷のおえら方の耳に名前が届いて(出世の可能性が出る)ことを求めない隠者のようだと思われたからである。
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伝・晋・葛洪「神仙伝」巻二より。ホントだとしたらこれはがっかりですね。天上の楽しみは人間世界以下だ、というのです。どんな楽しみかな? さぼる楽しみが人間世界以下だと一日〇時間ぐらい働かされるのかも。
しかもおえら方相手の面倒が人間世界以上? これでは、天上のおえら方の耳に名前が届く必要はありません。天上は回避して、地下(根の国)や海中(ニライカナイ)を目指した方がいい。
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