11月11日 ぞろ目の日は休日なのでは

不得其平(その平を得ず)(「送孟東野序」)

平日でも四時に帰るとは怪しからん、おれは帰れないのに、ぶうぶう・・・と「不平を鳴らす」の典拠です。四十数年前にはじめて読んで以来、何度もこの文章を口にしつつ、生きてきました。もちろん最初の一二行だけですが。覚えられないので。

よく鳴るやつらである。

・・・・・・・・・・・・・・・

大凡物不得其平、則鳴。

ぶうぶう。

この一行だけはずっと覚えていました。ここからは後はこんな感じだったろうという感触だけで、覚えてなかった。

草木之無声、風撓之鳴。水之無声、風蕩之鳴。

水については、

其躍也或激之、其趍也或梗之、其沸也或炙之。

金石之無声或撃之鳴、人之於言也、亦然。

人間の言葉については、

有不得已而後言、其謌也有思、其哭也有懐。凡出乎口而為声者、其皆有弗平者乎。

さて、

楽也者鬱於中而泄於外者也。撰其善鳴者、而仮之鳴。金石糸竹匏土革木八者、物之善鳴者也。

続いて、

維天之於時也亦然。撰其善鳴者、而仮之鳴。是故以鳥鳴春、以雷鳴夏、以虫鳴秋、以風鳴冬。四時之相推奪、其必有不得其平者乎。

そして、

其於人也亦然。

そこで、おまえさん、

孟郊東野始以其詩鳴。

なかなかいい音を出す。もう少し平静で無くしてやれば、もっといい音を出すだろう。
今回、おまえさんが左遷されるのは、天がおまえさんをもっと善く鳴らしめようとしてのことなのである。甘んじて行くがいい。

・・・たいへん説得力がありますね。

・・・・・・・・・・・・・・・・

唐・韓退之「送孟東野序」(孟東野を送るの序)(宋・謝畳山編「文章軌範」巻七より)です。おもしろい文章です。ただし、「そこで」以下は大幅に省略しました。このへんもおもしろいのですが疲れたので。ぶうぶう。疲れると鳴って音を出してきます。みなさんもずいぶん鳴っているのでは。

ホームへ
日録目次へ

コメントを残す