11月7日 世の中には怖ろしいことが多い

数千雞雛(数千の雞雛)(「顔氏家訓」)

毎日ぴいちくとうるさいぜ。うるさいやつはこうだ!
―――と、いろいろうるさいやつ(上司や発注元など。おやじも?)をやっつけると、こんなことになるかも知れません。

四国の代表的な妖怪たちだ。たしかにヒヨコ軍団は比較的怖ろしそうである。

・・・・・・・・・・・・・・・・

六朝の梁の時代(502~557)のことだが、

有人、常以雞卵白和沐、云使髪光。

毎沐輒破二三十枚。

臨死、髪中但聞啾啾数千雞雛声。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

北斉・顔之推「顔氏家訓」第十六「帰心篇」より。亡くなった楳図かずお先生の「チキンジョージ」みたいではありませんか。フライドチキンばかり食っていると、進化したニワトリであるチキンジョージ博士に復讐されるんです。・・・という話だったと記憶しているのですが、なにしろ年寄の記憶ですからなあ。

顔之推はもと南朝・梁の貴族ですが、亡国の際に北朝に連行され、北朝でもさんざんな目にあった苦労人です。仏教にも深く帰依していた彼が、子孫に遺したのが「顔氏家訓」ですが、

含生之徒、莫不愛命。去殺之事、必勉行之。好殺之人、臨死報験、子孫殃禍、其数甚多、不能悉録耳。

ということで、特に恐ろしいのを数例だけ抜き出した、というその筆頭がこの「ひよこ頭」です。他にはうなぎ食っていたら子どもがうなぎだったとか、ヒツジを見殺しにしたら死ぬときに「メー」と言って死んだ、とかです。

わたしも、好んでは殺さない方がいいと思います。

ホームへ
日録目次へ

コメントを残す