11月1日 トリックか強盗か、の社会に変化

変為童子(変じて童子と為る)(「神仙伝」)

「変態童子」ではありませんので、念のため。

老害になってきました。

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ハロウィンですから子どもたちがあちこちの駅前で騒いで騒乱状態となっていることでしょう。強盗団もあちこちで活動しているのでしょうか。いよいよ日本の「安全」神話も崩壊してきました。

漢の時代のことですが、淮南王・劉安の屋敷に、八人の老人がやってきました。
「わしらは長生術に詳しい。王さまは道術にご興味があると聞いたので、遠路はるばるやってきたのじゃ」
と門前でわいわい騒いだ。

門番から取り次がれた王は訊いた。
「どんな風体だ?」
「みんな白髪の老人です」
「それでは長生術など偽りではないか。追い返せ!」
「わっかりましたあ」

門番が戻ってきて王の言葉を伝えると、

八公笑曰、我聞王尊礼士、吐握不倦、苟有一介之善、莫不畢至。

そして、昔の人たちの振る舞いを数え上げ始めた。曰く、昔は「九九」が唱えられるだけ、あるいは鶏の鳴き真似や犬の吠える真似ができるだけでも、雇われたものじゃ、死んだ馬の骨を買って名馬を得ようとした人もいましたなあ、まず郭なんとかから始めて、英傑が集まった国もあったのう、などと言い募った。

「とにかく王さまはお会いしないと言っているのだから、帰った、帰った」

吾年雖鄙陋、不合所求、故遠致其身、且欲一見王。雖使無益、亦豈有損。何以年老而逆見嫌耶。

王必若見年少、則謂之有道、皓首則謂之庸叟、恐非発石採玉、探淵索珠之謂也。

薄吾老、今則少矣。

と言うと、

言未竟、八公皆変為童子、年可十四五、角髻青糸、色如桃花。

ぼよよ~ん。

「これでどうでちゅか」
門番はまた王に告げて云う、
「八人の老人はみな童子に変じました!」
「なにい! 早くお通しせぬか!」
その時には老人たち(童子たち)は、
「うっしっし、子どもなので誰も止めるものはないのでちゅー」
と言いながら、ずかずかと中庭に入ってきたのであった・・・。

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伝・晋・葛洪「神仙伝」巻三より。イタズラか?お菓子か? それとも強盗か? このあとどうなるかは、またのお楽しみ。今日はシゴト上手く行った!と一人ほくそ笑んでいたら、若いひとに叱られたので、子どもにでもなってしまいたい気分じゃ。だが、うっしっし、と笑い顔。生きているだけでありがたいことゆえに。

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