大亦宜然(大もまた然るべし)(「西京雑記」)
いろいろ前兆はあったのかも知れません。知らんけど。

おれたちクモは役に立ってるんだぜ。
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漢の初め、天下が治まったころ、将軍の樊噲(はん・かい。項羽の前で肉食って酒飲んだほか、漢の高祖に従って勇猛な働きをしたひとです)が、陸賈に、王朝が決まるには何らかの前兆があるのか、と訊いた。
陸賈は答えた、
有之。
これ、有り。
ございます。
夫目瞤得酒食、灯華得銭財、乾鵲噪而行人至、蜘蛛集而百事喜。
それ、目の瞤(じゅん)すれば酒食を得、灯の華すれば銭財を得、乾鵲(けんじゃく)噪げば行人至り、蜘蛛集まれば百事喜ぶ。
おお。申しますに、目が何度もまばたきする時は、酒と食べ物の供応があるしるし。
灯火がぱちぱちと爆ぜました時は、おカネがもうかるしるし。
かささぎが鳴き騒いだら、旅に出た人が帰ってくるしるし。
クモがたくさん集まった時は、あらゆることに喜びがあるしるし。
小既有徴、大亦宜然。
小さきも既に徴有り、大また然るべし。
小さいことにもこのように前兆があるのですから、大きいこともやはりそうであるはずです。
ほんまかいな。
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伝・晋・葛洪「西京雑記」巻三より。退屈になって目が何度もまばたきしたときに、主人が気を遣ってお酒や飯を出してくれたのでしょう。それが成功体験になっているのでは。あとのことは、そういうこともあった時もあったかも、というぐらいかも。
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