10月11日 お酒無しでもいつも眠っている

齁齁作声(齁齁として声を作す)(「墨余録」)

変な人がいるもんです。ついていってはいけませんよ。

飲んでもシゴトできる三人じょうごたちは凄い。わたしならすぐ寝ます。

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南宋の末ごろ、浙江に陳箍桶(ちん・ことう)と呼ばれる人がいた。

居浦濱、以箍桶為業、跣足蓬頭、冬夏一衲、不滌、亦不穢也。鬚鬢班白、双眼湛如碧玉。

約150年も前の、北宋が滅亡したころのことを見て来たように話すのだが、

貌僅如五十許人。

常来江浙間、踪跡殊無定。性懶、而好酒善睡。

一日、酔臥浦灘、潮適大至、順流五六里、鼻中猶齁齁作声、人以是咸目為仙。

ところで―――

このころ、名将・伯顔(バヤン)に率いられた元軍は、襄陽を破り、長江に沿って進軍していた。

このため、長江の北岸は元軍の占領下に入って治安が保たれていたが、

江以南盗賊蜂起、積屍遍野、煙火断絶者経月。而陳独安然、日仍酔臥街頭、竟不知何従得食也。

元の至元(1264~95)の初め、

華亭陸正夫、猶遇陳於江寧、後遂不知所終。

―――そんな人がホントにいたのか? おまえさんの作り話ではないか?

いやいや、

邑有陳箍桶橋、乃其遺迹。

わかりましたか。

今人呼為陳顧同橋、謂是二姓所造、真臆説也。

ひっひっひっひ・・・。

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清・毛祥麟「墨余録」巻三より。証拠に橋の名前が遺されているというのですから、本当のことでしょう。歴史を捏造しようとする現代人(清末の)は怪しからんなあ。みなさんも何が本当のことか、しっかりリテラシーを持って読書してください。ことごとく書を信ぜば、書無きに如かず(「孟子」)じゃ。

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